小山英男先生より応援メッセージを頂きました。

中塚先生との出会いは2013年からに鳥取県体育協会(現：鳥取県スポーツ協会)主催で行われた、スポーツメンタルトレーニング講習会を本校にて開催していただいた時からです。

先生は試合時における自律訓練法を中心としたメンタルトレーニング講習として来られたわけですが、本校生徒の練習風景をご覧になっているときに、生徒ごとの射形の違い、とりわけ早気に興味を持たれました。その時に自分の意志で早く離れてしまう状態ではなく、自分の意志に反して離れてしまう状態であると説明させていただきました。早気には弓具が原因(例えば弓力が合っていないなど)の場合もありますが、多くは内面的な原因が多いです。篠原さんが言われているように「早気が治る薬があれば絶対飲むのに」という言葉は、多くの高校生が共感する言葉だと思います。アーチェリーにも早気はあり、「ターゲットパニック」と言います。クリッカーを利用することにより対処ができる場合はありますが、弓道の場合そのような器具を弓に付けることはできません。早気克服のため多くの指導者が工夫をしながら指導をしていますが、これと言った確実で有効な克服方法はありません。「会が無い」、「会でもっと持って」と、いわゆる多くは「根性論」の指導をすることはあっても、具体的にその状態を直す方法を指導する場面は多くありません。

篠原さんの目標は、自身の経験を元に早気を科学的にとらえ、早気改善に取り組み、早気で弓道から遠ざかるのではなく、弓道人口拡大に貢献したいと言われています。早気が原因で弓道が楽しくなくなった生徒。その結果弓道から離れていく生徒。また早気克服に日々取り組んでいる生徒の大きな励ましになればと思います。研究成果に大いに期待をします。

鳥取県弓道連盟 副会長
鳥取県立米子工業高等学校 弓道部顧問
小山英男