研究キックオフミーティングを開催しました
徳島大学整形外科の土岐です。6月26日に四国骨・軟部腫瘍研究グループ(Shikoku Orthopedic Oncology Study group: SOOS)での研究開始に伴い、キックオフミーティングを開催しました。
SOOSは、2014年に四国4県の肉腫診療を行なっている病院・施設の整形外科・骨軟部腫瘍医を中心に発足し、定期的に症例検討会や講演会などを行なってきた研究クループです。今回、肉腫患者様の患者報告型アウトカム(ePRO)研究をこのSOOSで、以前から交流のある仲間の先生方と開始できることに、大きな喜びを感じております。
クラウドファンディングで皆様からいただきました寄附金は、まずこのePROシステムの導入に使わせていただきます。導入費用には、環境セットアップ費用、導入作業費、システムの基本ライセンス費用が含まれており、またこれらは産学連携のパートナーでありますアクセライト株式会社に委託させていただいております。
さて、本研究の核となるePROシステムですが、少し詳しくご説明致します。ePROシステム概念図をご覧ください。まず開発会社でありますアクセライト株式会社により、インターネット回線を利用してクラウドサーバ上で稼働するePROシステムが構築されます。このシステムにアクセス権限のライセンスを付与することにより、患者、研究参加の各病院・主治医、研究事務局がこのシステムを通じてつながります。実際の研究の運用中は、患者さんはご自宅、職場、外出先、あるいは病院滞在中などあらゆる場所で、ご自身のスマートフォン、タブレット端末、パソコンを使ってご自身の状態としてのePROを入力することができます。主治医は受け持ち患者のePRO入力・回答事項を閲覧することができます。そして、研究事務局はこれらクラウド上に蓄積されたePROデータを閲覧・操作・解析に用いることができます。また、全行程を通じて、システムはアクセライト株式会社にて管理・監視され、問題があればサポートを受ける仕組みとなっております。

SOOSでの研究は、本システムの本邦肉腫薬物療法施行中患者さんにおける実現可能性として、回答率などの検証を主目的としております。また、スマート端末やインターネットシステムを利用したデジタルな患者報告型アウトカムと、古くから医学系研究で行われてきた紙媒体の質問票を用いた患者報告型アウトカムとの比較を行い、問題点の有無も検証します。
先日、主研究施設として私共徳島大学病院の倫理審査委員会の承認が得られ、また、ヨーロッパのPRO質問票版元でありますEuroQol事務局より研究利用ライセンス契約が成立しましたので、この度いよいよ研究のスタートラインに立つに至りました。
希少がん・肉腫患者2400人の「声」を治療につなげたい!Quality of Lifeのオンラインシステム実現プロジェクトの第一歩です。本プロジェクトに関わって頂きましたすべての方のお支えがあって、このような報告ができていることに、心より感謝申し上げます。責任と使命感をもって取り組みたいと思っておりますので、引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

寄附受入情報
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- 徳島大学
本プロジェクトに寄付をしていただいた方には、徳島大学から寄付の受領書をお送り致します。国立大学への寄付になりますので、確定申告の際に受領書を提出することで税の優遇措置を受けることができます。大切に保管下さい。詳細は本文の「徳島大学への寄付と税制について」をご参照ください。また、このプロジェクトはクレジットカード決済以外に振込によるご寄付も受け付けています。詳細は本文の「振込によるご寄付について」をご参照ください。
このプロジェクトはオールイン型ですので、目標金額の達成状況によらず支援が実施されます。

