＜「ちょ」日記　その２＞　いただき物でつくる宿

恩送りの宿「ちょ」を作ろうと思ったとき、まず最初に考えたことは材料は新しく買うのではなく、いらないものや捨てるものを貰おうということでした。

確かに、いろんなところから集めてくると見た目はツギハギで、決して「オシャレ」ではないし、統一感もないかもしれないですが、どうせなら、いろんな人の想いが詰まっている宿の方がいいと思ったからです。可能なら、「◯◯からもらった□□」みたいな表示を一つ一つに入れたいと思っています。

今年の3月に、恩送りの宿「ちょ」がある勝浦町のおとなり上勝町のお寺「慈眼寺」さんから、畳と便器などをいただきました。

宿坊を壊すということで「どうせ捨ててしまうなら」ということで譲っていただけることになりました。まだまだ新しい畳。しかも、さすがはお寺の畳、しっかりしてます。
この畳は、もちろん和室に使わせていただきます。お寺で使っていた便器は、座ったら格別だと思っています。「ちょ」に泊まってトイレを利用した時に「あ、これはお寺のトイレだな」なんて思い出してくれたら、そのトイレにも物語ができあがります。

この他にも、床下に使っている太い木材は地元の方からいただいたもの。
元々は、違う家の違う場所に使われていた木材を再利用するのは、なんだか不思議な感覚です。時空を超えた想いが寄せ集まってる気がしてきます。

もちろん、状態があまりにも悪いものはお気持ちだけいただく事になってしまいますが、それでもその想いだけでもありがたいです。