0.はじめに
はじめまして、徳島大学の中島です。
英語の4技能(読む・聞く・書く・話す)を高めるために様々な方法が考えられますが、全ての基盤となるのは語彙力です。
それにもかかわらず、日本の学校英語教育においてその養成が教育システムの中に明確に組込まれておらず、またその効率的養成法も確立されていません。
また、学校英語教育に限りませんが、学習者の学習意欲の維持や、担当教員の採点業務の負担など、課題が山積しています。
これらの課題に対し私は英語学習や採点に使用できるプログラムを開発することで、英語学習の効率化や学習意欲の喚起、教員の働き方の大幅な改善を目指しています。
・語彙力養成システム「ボキャビルダ」:
オンラインで利用可能。蓄積した英単語から毎回ランダムに選択肢を生成することで、何度取り組んでも効率が落ちない選択問題のテストです。
・集計システム「即集計君」:
回答の選択肢を入力しておくだけで、テストの集計・苦手な傾向等がその場で一瞬でわかるシステム。
採点の時間が限りなくゼロに。テストが終わった瞬間から、そのテストの復習が行えます。解答者数・平均・(偏差)標準偏差・最高点・最低点はもちろん、解答者全体の正解率を5段階評価した集計結果も表示されるため、学生・生徒さんの苦手箇所を集中的に復習させることが可能になります。また、複数回の試験を総合した成績の集計も一瞬で可能です。
・ディクテーション問題作成システム「e-cloze」:
ディクテーション問題として出題したい英文を貼り付けて、clozeテスト(穴埋め型テスト)したい箇所をマウスクリックするだけで、簡単にディクテーションテスト問題が作成できます。
これにより、教材開発会社のお仕着せ問題ではなく、教員・指導者ごとの好みや学習者のレベルに合わせて 問題作成ができます。
また、「即集計君」同様、テストの集計・苦手な傾向等がその場で一瞬にしてわかり、即復習が可能です。基本統計量に加えて、解答者全体の正解率に合わせて 5段階に色分けされた形で集計結果が表示されるため、解答締め切り後すぐ、学生・生徒さんの苦手箇所を集中的に復習させることが可能になります。「即集計君」同様、複数回の試験結果を串刺し計算して一瞬にして集計可能です。
・kwic (KeyWord in Context)コンコーダンスによる英語表現検索システム「SKWICS」:
英字新聞のコーパスデータから正規表現を使ったKWIC検索を行うことができるシステムです。
アメリカ英語(約162万語)・イギリス英語(約177万語)・オーストラリア英語(約164万語)の英字新聞データからそれぞれ検索を行うことができるため、それぞれの言語間の言い回しの違いや綴りの違い、 同じ単語でも使われ方の頻度の違いなどが瞬時にわかります。
このシステムを利用することで、日本で学生向けに出されている参考書に書いてあることが、実はもう現代英語では通用しなくなっていることなどに気付かされることも実感できるかと思います。単純な文字列による検索でもコロケーションなどがわかり便利に使えますが、正規表現を使った検索を行うことで、より高度な検索を行うこともできます。
・英文レベルチェック「eTxtStats」:
英文をコピー&ペーストすると、英単語の出現回数、一文の長さ、使われる英単語のレベルなど様々な要素に一瞬で分析できるシステム。
その英文がネイティブレベルでどの程度のものかも測定できるツールです。
このたびは、こういったプログラムのさらなる開発、発展についてご支援をいただきたく、クラウドファンディングに挑戦しました。
現在の研究費だと、使用しているパソコンが壊れてしまうと買い換えることもできず、研究を続けることができなくなります。
このプロジェクトを通して、これからも様々なシステムを開発すべく、ご支援をいただければと思います。
プログラムの開発の方向性としては、日本の英語学習者がそれぞれの語彙力レベルに合った形で足が地に着いた語彙力を身につけていくことができる学習システム開発を行っていこうと考えています。
これまで、国内でも「大学英語教育学会基本語リストJACET8000」、アルクの「標準語彙水準SVL12000」など、言語コーパスにもとづいた厳選された語彙リストが開発されてきました。
また、海外においても"The Longman Defining Vocabulary 2000"や"The Oxford 3000"など、数々の厳選された重要語彙リストが発表されています。
ただ、こういった語彙を学習者が効率的に、しかも外国語としての英語の基盤語彙となるよう学習すると良いのかという解に対する方略は未だ手探り状態です。
一つの有望な方略として、英単語を構成する形態素がどのような語源的情報を含んでいるか学習者に提示しながら記憶の定着を図ることが有効であると、私のこれまでの教育経験から確信を持って言えます。
語源的情報データベース、言語コーパス、語彙リストをもとにコンピュータ言語Pythonを使って日本の英語学習者の効率的で着実な英語語彙習得の助けになるシステムの構築を目指したいと考えています。
インド・ヨーロッパ語族に属している一言語である英語、日本語と言語距離的に大きく隔たっている言語である英語という両方の視点を踏まえて、日本語話者にとって効率的で無理の少ない教育的アプローチを探ろうとするのが私の研究の根本的な出発点となります。
ぜひこの研究活動を通して、国際社会で生き抜いていくための英語力、世界の事実上の共通語としての英語で世界中の人たちとコミュニケーションを取るための英語力を、現代そして未来の日本人が身につけられるようにご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
1.オンラインで利用可能な語彙力養成システム「ボキャビルダ」
ボキャビルダは、学内に限らず自由に使用できる、英単語の選択問題のwebテストです。
このプログラムの売りは、問題が形容詞の場合は形容詞の選択肢、名詞の場合は名詞の選択肢が毎回ランダムで生成される点にあります。
テスト製作者において、選択肢を作るのはなかなか手間のかかる作業です。
このプログラムにおいては、蓄積した英単語の品詞の情報から属性を紐付けて、正解となる選択肢とともに、もっともらしい選択肢を毎回ランダムに提示することができます。
そうすることによって、解答者は問題を解くときに、形容詞の問題なのに、名詞の選択肢があるなどして正解を推測したり、正解の選択肢の番号を記憶することによって正解したりしてしまうなどの現象が起こらなくなり、何度テストに取り組んでも効率の落ちることのない反復学習を行うことができます。
答え合わせでは、その単語を用いた例文が同時に表示されるので、より学習効果を高める工夫がされています。
また、テストを開始するときに、自分の名前等を入力することによって、自分の成績の推移などが確認できるようなプログラムになっています。
こうすることで、回答者のモチベーションを上げる要因となります。
さらに、解答後の感想を他の解答者と共有することによって、競争心や継続するためのモチベーションを保つ仕組みも用意しています。
2.「即集計君」等のプログラムによる時間と労力および資源コストの削減
テストの集計に何時間も手間を取られている教員は多いのではないでしょうか。
「即集計君」では、解答の選択肢を入力しておくだけで、テストの集計がその場で一瞬ででき、苦手な傾向等もその場ですぐわかるシステムです。
ですから、テストが終わった瞬間に、そのテストの振り返りとフォローが行えるというわけです。
試験が終わって教員が採点し、後日返却時にフォローするというこれまでのやり方は、教員の負担が大きいだけでなく、受験した学生さんたちも内容を忘れてしまっていて効果が少ないのではないかと思います。
問題をとき終わって、即座に結果がわかり、皆が苦手な箇所を集中的に学習させる形が可能となります。
授業中に行うミニテストや定期試験等の採点には、クラスサイズや問題数にほぼ比例して多くの時間がかかります。
問題形式にもよるが、一般的な大学の標準的クラスサイズ40-50人に対して50問程度の記述式客観テストをしたとすると、採点に3~4時間程度はかかってしまうのではないでしょうか。
週に担当しているコマ数を掛け合わせた時間数文採点時間がかかることになります。
ひとつのテストの採点に3時間、週の担当コマ数を4コマ、半期15コマと仮定すると、ひとりの教員が年間に費やす採点時間は年間3*4*15*2=360時間にもなります。
徳島大学の例で言えば、共通教育英語の年間総開講授業数は約200なので、年間のべ授業コマ数は200*15*2=6000コマとなり、そのうち3分の2の授業でテストを行ったとしても、採点に費やされる年間のべ時間は4000*3=12000時間になってしまいます。
もちろんこれは仮定の話なので額面どおり受け取る必要はありませんがが、いずれにしても膨大な時間が(ある意味無駄な)採点作業に費やされているとしたら問題です。
この時間を減らすことができれば、本来すべき教材研究や学生相談にもっと多くの時間を割くことが可能になるのではないでしょうか。
また、学生の立場から考えても、通常ならば、試験の採点に1週間くらいかかり、問題を忘れてしまうので、その時間差が学習における非効率を生み出しているといえます。
コンピュータによって自動採点・自動集計がなされるのなら、膨大な採点時間を限りなくゼロにでき、これは教員学生双方にとって大きなメリットにつながります。
また、オンラインで試験をすれば印刷や紙にかかるコストの削減になります。
採点時間の計算に用いた数字を用いて平均40人クラスと仮定すれば、年間に使用するテスト用紙は40*4000=16万枚にもなってしまいます。
オンライン試験の場合はこれもゼロになり、コストと環境負荷の削減につながります。
3.「e-cloze」の効果
私の研究論文で、ディクテーション問題で高得点を取ることとTOEIC等で高得点を取ることの相関関係がとても高い(特に成績の良いクラスではその傾向が顕著)という結果が出ています。
つまり、英語のディクテーション能力は、単にリスニング能力の問題ではなく、正確に音を聞き取り、正確に綴りにする力が問われます。
文脈の中で正解の単語を同定するためには、文法能力や意味を把握する力も必要となってきます。
英語の総合力を測るのにディクテーションはとても測定力のある尺度となりうると考えます。
私が開発した「e-cloze」では、簡単にディクテーション問題を作成することが可能となります。
ディクテーション用テキストを入力し、ブランクにしたい単語にチェックを入れると、問題が作成されます。
そして、学生は一般のブラウザを使用して、問題回答画面に行き、英単語を入力して提出するボタンを押せば完了となります。
音声は試験時間内なら何度でも繰り返し聞くことが可能です。
音声を一回だけ聞かせてディクテーションテストを行いたい場合は、音声データを添付せずに外部スピーカから教師が音声を流すという形式を取れば可能になりますが、このやり方は受験生がかなりの上級者でないと難しいと思われます。
試験が終了すると、学生の答案提出を締め切り(チェックボックスをクリックすると、答案提出を締め切ることが可能)教員は自分の担当しているクラスの試験の採点および集計結果を画面で確認することができます。
受験者数に関わらず、採点や集計にかかる時間はほぼゼロです。
個々人の正解率や採点結果のみならず、問題毎の正解率から算出された問題の難易度(標準偏差に基づいた5段階評価)を知ることもできます。
試験を行ったそのすぐ後で、正解率が低かったところを重点的に復習させることにより、効率的で効果的な学習指導ができるでしょう。
最後に受験者数、平均正解率、(不偏)標準偏差、最高正解率、最低正解率などの集計結果が表示されます。
なお、e-clozeでは任意の複数のディクテーションテストに対する串刺し集計機能も用意されています。
例えば、その学期中に行った全ての(あるいは任意の複数の)ディクテーションテストに対するそれぞれの学生の平均正解率、受験回数などといった情報も、集計したい問題名の横にあるチェックボックスを選択するだけで簡単に取得できるように設計しています。
また、試験の成績という個人情報を扱う性格上セキュリティには最大限の対策を講じています。
4.「SKWICS」の効果
アメリカ英語・イギリス英語・オーストラリア英語それぞれの言語間の言い回しの違いや綴りの違い、同じ単語でも使われ方の頻度の違いなどが瞬時にわかります。
英作文をする際にこの名詞を修飾する自然な形容詞は何か、ある自動詞や名詞に続く自然な前置詞は何か、これは数えられる名詞なのか否か、など辞書や参考書を見ただけではよく分からない自然な英語の言い回し一目瞭然となる便利なシステムです。
検索結果の表示も一瞬で、ストレスを感じさせません。
ぜひ学習にご活用ください。
5.英文レベルチェック「eTxtStats」
ページの枠の中に、ある程度まとまった英文をコピー&ペーストするだけで、一瞬にして英文の様々な要素を分析できるシステムです。
使い方としては例えば、授業で学生に読ませる英文がレベル的に適切なものかチェックしたり、学生に英語でエッセイを書いてもらって自分の書く英文がネイティブレベルでどの程度の英語なのかチェックするなどということが可能かと思います。
用途は色々考えていけると思います。
分析できる要素は、文節数、単語数、文の数、一文の長さ、読みやすさ、単語の出現回数、ボキャブラリーレベルなどです。
ボキャブラリーレベルは、アルク社の出している「標準語彙水準SVL12000」(SVL=Standard Vocabulary List) を使って、12000単語を易しい単語から1000語ごとに区切り、レベル1-12に分けて区別して頻度及び比率を計算しています。
"VL Index"は、私が試みとして語彙レベルの分布から出してみた指標で、まだ実証的に確かめたものではありません。
細かいチューニングや研究を行い、このプログラムを将来的に英語学習に使えるよう改良を進めていきたいと思っています。
6.こうした研究の背景
「ボキャビルダ」開発の背景
中学から大学までの多くの時間が英語教育に費やされているにもかかわらず、日本人の英語力は良い評価を受けているとは言いがたいです。
米国のETSが発表している2015年の資料(https://www.ets.org/s/toefl/pdf/94227_unlweb.pdf)によれば、
日本の受験者の平均点は諸外国に比べても良い結果とは言ません。
漫然と英語学習に取り組んでいるだけでは時間をいくら費やそうと結局使えるレベルに達しないし、達成感も生まれません。
多くは覚えては忘れ、覚えては忘れという中で、最終的には嫌気が差して英語学習を放棄してしまっているのが現状ではないでしょうか。
多少無理矢理にでも集中的に詰め込んで英語力を引き上げてやる必要があると考えます。
語彙力は、単純化して言えば、覚えている単語数という形で数値化して捉えることが可能です。
数値という客観的尺度で目標を立て、達成度を評価できます。
学生側にとっても具体的な目標が立てやすく達成度も把握しやすいです。
私の専門分野は英語学で、日本語と英語の文法的(例えば語順や屈折、活用)差異、印欧祖語から始まるインド・ヨーロッパ語族の語彙構成や語源的成り立ちなどを扱いますが、そこを意識させる英語教育を行うことが、多少回り道のように見えても、結局は確実な英語習得につながっていくことを実証的に示すことができればと考えています。
形態素分析と語源情報を用いることにより一度覚えた単語を忘れにくくし、あるいは思い出しやすくし、積み重ねができる語彙力養成法の確立に寄与すると確信しています。
そうしたことが正しく行えているかをテストする場が、今回のプロジェクトのボキャビルダになります。
また、発信語彙と受信語彙の習熟のための指導法は別ですが、本プロジェクトの目的として、受信語彙数を増やすことを中心に据えています。
英語を日本語に翻訳するプロセスを排除し、単語の意味がイメージで捕らえられるようにならない限り、1分間に180〜200語といったナチュラルな速度の英語にはついていけないのです。
「e-cloze」開発の背景
業者からe-learningのためのシステムを導入すると、当然のことながら題材はあらかじめ業者がシステムに組み込んだものとなる、あるいは、業者が用意した題材の中からチョイスするという形になってしまいます。
TOEIC対策、TOEFL対策、医療用分野向け、理工系論文対策など様々なメニューが用意されていたとしても、教員はその中から選択せざるを得ないという状況に変わりはありません。
多くの場合、e-learningにおける教育はこのような制約に縛られています。
学習指導要領を持ち出すまでもなく、e-learningの重要性や有効性が支持されているがゆえにこれほどまでに普及してきたのだと思われますが、そこで扱われる題材は極めて幅の狭く窮屈なものであると言わざるを得ません。
市販のオンライン教材に一般的に扱われていない英文学、詩、曲中の歌詞、評論、ニュース等々を、これまで英語の授業の題材として扱ってこられた先生は多いでしょう。
しかし、教材に「オンライン」という修飾語が付いたとたん、題材の多様性に対して極めて強い制約がかかってしまいます。
扱う題材が狭ければ、教養教育としての英語教育という役割にも大きな影響が出るのは避けられません。
そういった背景から、教員が自由に題材となる英文を選べる、あるいは創ることができるオンラインe-learningシステムとして「e-cloze」を開発しました。
徳島大学への寄付と税制について
- 国立大学法人徳島大学へのご寄付につきましては、個人からの寄付では所得税の所得控除、住民税(徳島県と県内市町村が条例で指定する寄付金として)の所得控除、法人からの寄付では法人税の損金算入が認められます。
- 個人からのご寄付
徳島大学に寄付金を支出した場合は、所得控除制度が適用され、(総所得金額の40%を上限とした寄付金額)から2,000円を差し引いた額が課税所得から控除されます。実際の税控除額は前記の控除額に各人の税率を乗じたものになります。
個人住民税については、(寄付金(総所得額の30%が限度)-2,000円)×10%が寄付控除額となります。
10%の内訳は、都道府県が指定した寄付金が4%、市町村が指定した寄付金が6%となっています。
ご寄付された翌年の確定申告期間に所轄税務署で確定申告手続きを行う必要があります。その際に、徳島大学が発行する『寄付金領収書』が必要になります。
住民税の控除適用のみを受けようとする方は、『寄付金領収書』を添えてお住まいの市町村へ「都道府県民税・市町村民税控除申告」を行ってください。
- 法人からのご寄付
法人からのご寄付につきましては、寄付金額全額が当該事業年度の損金に算入されます。
この寄付金による損金算入は、徳島大学が発行する『寄付金領収書』で手続きができます。
振込によるご寄付について
このプロジェクトはクレジットカード決済以外に銀行、郵便振込によるご寄附も受け付けています。
入金確認のための支援者様の振込名義などをお知らせいただく必要があります。銀行、郵便振込によるご寄附の場合は必ずご記入をお願いいたします。
≪手順≫
①リターンのコースを選択し、「寄付するボタン」を押してください。表示される画面に従い、次の事項を記載してご連絡ください。
振込先、口座番号等は申し込みをいただいたのち、支援者様に自動返信メールにて連絡します。
・振込名義人のお名前
・金額
・寄附コースの名称
・領収書などの送付先住所、電話番号、メールアドレス
②ご注意事項
・振込に際しては振込手数料のご負担をお願いいたします。
挑戦者の自己紹介
中島浩二
所属:徳島大学 大学院社会産業理工学研究部 社会総合科学域
役職:准教授
早稲田大学と同大学院で英語学を中心に言語学全般について学びました。高校時代から英語に限らず言葉に興味を持ち始め、高校の図書室にあった言葉に関する本を読みあさりました。そこで出会った鈴木孝夫氏、川本茂雄氏などの著作に強く感銘を受け、大学で言語学を学ぼうと決めました。学生時代は、英語だけでなく、ドイツ語・フランス語・ラテン語・エスペラント語・古英語・中英語などを広く学びました。もちろん、母語の日本語についても様々な著作を通じて学ぶよう努めました。卒論では古英語と奈良時代日本語の助動詞比較をテーマにしました。
大学院後半から非常勤講師時代以降は、コンピュータに興味を持ち、Lisp, Prolog, Perl, Pythonなどの計算機言語を学んで、英語教育のためのソフトウェア開発やコーパスを使った言語情報処理について研究するようになりました。
現在、徳島大学総合科学部国際教養コースで、効率的な英語教育を実現するにはソフトウェア、メディア教材、紙の教材等をどう活用・開発したらいいのか、学生の皆さんと一緒に考えています。英語についても理論面と実践面をバランス良く学んでもらえるよう努めています。
武市真由美さん
英語=苦手という意識があるため、何度トライしても身に付きません。
仕事上、必要で覚えても、全てその場限りです。
効果的な学習方法があるなら、救われる人はたくさんいるはずです。
些少ですが、お受け取りください。