論文報告：AIを用いた病院流動食の残量推定の検証

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「Accuracy of an artificial intelligence-based model for estimating leftover liquid food in hospitals: validation study」
Masato Tagi;  Mari Tajiri;  Yasuhiro Hamada;  Yoshifumi Wakata;  Xiao Shan;  Kazumi Ozaki;  Masanori Kubota;  Sosuke Amano;  Hiroshi Sakaue;  Yoshiko Suzuki;  Jun Hirose
JMIR Formative Research. Date Accepted: Apr 12, 2022

この研究ではAIを用いた病院流動食の残量推定が目測推定と比較して精度が高かったことを報告しました。

栄養不良は、入院期間の長期化、褥瘡や感染症などの合併症の発症リスクの増加や老年症候群であるフレイルの要因です。高齢化社会を迎えた現在、栄養不良を防ぐことが重要で、そのためには患者の栄養状態を評価する必要があります。栄養評価の基準の一つに食事摂取量があり、その食事摂取量を把握することで栄養介入による改善が期待できます。

本研究では食事摂取量のより正確な測定を目指して、AIの中でも画像解析によく使われるConvolutional Neural Networkを活用した病院流動食の残量推定AIモデルを開発しました。そして徳島大学病院の普通流動食の画像576枚を対象として、開発したAIモデルを用いたAIによる残量推定と管理栄養士の目視による目測推定の精度を比較しました。その結果、秤量法による実測値との平均絶対誤差がAI推定:0.85、目測推定:1.03でAI推定の方が誤差が小さいことがわかりました。

今後は、臨床現場で活用できるようなシステムの構築やユーザビリティ評価等も行っていきたいと思います。

本研究は皆様の支援で成り立っていますので、謝辞にご支援の事を記載させていただきました。「The authors acknowledge all the individuals who helped with financial support from crowd funding.」

これらの結果を基に研究レポートを作成して皆さまにお届けする予定です。また、「栄養量自動判定システム体験講座」「栄養量自動判定システム勉強会」を開催したいのですが、新型コロナウイルス感染状況を考慮した上で時期等を調整する必要があります。そのため、先に研究レポート報告会をオンライン会議で開催することを考えております。準備ができましたらご連絡いたします。

引き続きご声援のほどよろしくお願いいたします。