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論文報告:新生児の筋萎縮

筋萎縮ゼロプロジェクト~ICUの患者さんにもう一度社会復帰してもらいたい~ 

目標達成!
寄附型
アイコン 挑戦者中西信人 所属徳島大学病院救急集中治療部
支援総額 2,478,000円
目標金額 800,000円
309%
サポーター 94人
残り終了

論文報告:新生児の筋萎縮

筋萎縮ゼロプロジェクトの御支援ありがとうございます。新たな研究成果を報告しました。

『Assessment of catabolic state in infants with the use of urinary titin N-fragment』

Sachiyo Fukushima, Nobuto Nakanishi, Kazumichi Fujioka, Kenichi Suga, Taku Shirakawa, Kayo Osawa, Kanako Hara, Rie Tsutsumi, Maki Urushihara, Ryuji Nakagawa, Hiroyuki Awano, Jun Oto, Hiroshi Sakaue, Kazumoto Iijima, Masafumi Matsuo
Pediatric research. 2021

論文へのリンク↓
https://rdcu.be/co4lb

この研究では乳児、特に新生児の筋萎縮がどのようにおこっているかを、筋崩壊のマーカーである尿中のタイチンを用いて調べました。DOHaD という概念を御存知でしょうか?

DOHaDとはDevelopmental Origins of Health and Diseaseの略で、将来の健康や特定の病気へのかかりやすさは、胎児期や生後早期の環境の影響を強く受けて決定されるという概念です。つまり、低出生体重児や生後早期の栄養不良の状態が、成人になってからの生活習慣病など様々な状態に影響するとする考えです。臨床現場では超早産で生まれた子供が1歳になった時に正期産で生まれた子供よりも体格が小さいことを経験することがあります。

世界では医療も発展し、新生児の救命率は1990年から2017年にかけて51%低下したといわれております。しかし、だからといって、全ての子供が元気に成長できている分けではありません。妊娠年齢の上昇、人工授精による多胎妊娠などにより、先進国では低出生体重児が増加しており、この子達の栄養管理をどのように行うかは非常に重要な課題です。そこで乳児、特に早産で生まれた子供の筋肉の崩壊(異化)の程度を調べ、今後の栄養管理に繋げていこうと考えました。

この研究では徳島大学と神戸大学のNICUに入室した乳児219人を対象として、414検体分の尿中タイチンを調べました。新生児の尿中タイチンは以下の値でした。

正期産(37週以降):12.5 (7.1–19.6) pmol/mg Cr
後期早産(34–36週): 8.1 (5.1–13.0) pmol/mg Cr
中等度早産(32–33週):12.8 (6.0–21.3) pmol/mg Cr
超早産(28–31週):26.4 (16.4–52.0)pmol/mg Cr
極早産(28週未満):81.9 (63.3–106.4) pmol/mg Cr

つまり、超早産(very preterm infants)と極早産( extremely preterm infants)で異化(筋肉の崩壊)がとても強いことが分かりました。この結果は超早産、極早産の高い死亡率や成長障害の原因を説明できる結果です。今まで科学的に新生児の異化を示した研究は乏しく、新生児領域において非常に重要な結果を示したと考えております。

このタイチンの値が月経後年齢が早期であればあるほど指数関数的に増加していくことも明らかとなりました(論文の図1)。またこの尿中のタイチンの値と早産児の成長速度が関係していることも示しました。

今後、新生児領域においてこの尿中タイチンが栄養のマーカーにならないかと考えております。成人のICUでは必要蛋白質量は概ね1-2g/kg/day程度ですが、小児では4g/kg/day必要だという意見もあります。しかし、本当にどれくらいの蛋白質を新生児が要しているのか、科学的に検証していく必要があります。しかし、たった2-3kgの体重しかない新生児から採血をして栄養の評価をしていたのでは、逆に貧血になってしまいます。一方で、尿検査で栄養状態(異化の程度)を評価できれば新生児に害はありません。今後、この尿中タイチンを用いて新生児の栄養障害、筋萎縮がゼロになるように小児科とも協力して活動していきたいと思います。

筋萎縮ゼロプロジェクトでは様々な人達と協力して、重症患者はもちろんのこと、世の中の筋萎縮がゼロに繋がるように活動していきたいと考えております。筋萎縮ゼロプロジェクトの取り組みは皆様の支援で成り立っております。

謝辞に筋萎縮ゼロプロジェクトの事を記載させて頂きました。「We thank people who supported the nonprofit crowdfunding of Muscle Atrophy Zero Project, which aims to prevent muscle atrophy in patients.」これからも筋萎縮ゼロを目指してどんどん活動してきます。目標へはまだまだ努力が必要そうです。

今後とも宜しくお願い致します。

中西信人

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寄附受入情報

 本プロジェクトに寄付をしていただいた方には、徳島大学から寄付の受領書をお送り致します。国立大学への寄付になりますので、確定申告の際に受領書を提出することで税の優遇措置を受けることができます。大切に保管下さい。詳細は本文の「徳島大学への寄付と税制について」をご参照ください。また、このプロジェクトはクレジットカード決済以外に振込によるご寄付も受け付けています。詳細は本文の「振込によるご寄付について」をご参照ください。

このプロジェクトはオールイン型ですので、目標金額の達成状況によらず支援が実施されます。

15,000円(税込み)
無制限

<オススメ>救急集中治療部カフェ

救急集中治療部カフェを開催し、救急集中治療の現状やワークショップなど を通して、救急集中治療のことを学んで頂きます。プロジェクトの成果報告 などについて、徳島大学蔵本キャンパスでサイエンスカフェを開催します。

リターン内容

  • お礼のメール
  • 活動報告書の送付
  • 活動報告書へのお名前掲載
  • 救急集中治 療部カフェ参加権
サポーター18人
残り終了
終了
10,000円(税込み)
無制限

活動報告へのお名前記載

ご支援いただいた方のお名前を、作成する活動報告書の上に掲載させて頂きます。

リターン内容

  • お礼のメール
  • お礼動画
  • 活動報告書の送付
  • 活動報告書へのお名前掲載
サポーター23人
残り終了
終了
5,000円(税込み)
無制限

活動報告

支援していただいた方には、プロジェクトの研究活動などをレポートにまとめ て、活動報告書としてお送り致します。

リターン内容

  • お礼のメール
  • お礼動画
  • 活動報告書の送付
サポーター24人
残り終了
終了
2,000円(税込み)
無制限

お礼のメール

ご支援いただいた方へお礼のメールをお送り致します。

 

 

リターン内容

  • お礼のメール
サポーター8人
残り終了
終了
3,000円(税込み)
無制限

お礼動画

プロジェクト終了後、近況報告とお礼を動画で公開させていただきます。

リターン内容

  • お礼のメール
  • お礼動画
サポーター12人
残り終了
終了
50,000円(税込み)
無制限

救急集中治療部カフェの スポンサー

私たちの活動サポートして下さる方を募集します。
救急集中治療部カフェを開催する会場にお名前または企業ロゴを掲示します。

 

リターン内容

  • お礼のメール
  • お礼動画
  • 活動報告書の送付
  • 活動報告書へのお名前掲載
  • スポンサーとして会場などにロゴ掲示
サポーター6人
残り終了
終了
100,000円(税込み)
無制限

プロジェクト応援

ご支援いただいた方への返礼の品はありません。
全額をプロジェクト推進のために活用させて頂きます。

 

リターン内容

  • お礼のメール
  • お礼動画
サポーター3人
残り終了
終了

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