市内中心部から車で30分ながら、周囲を山に囲まれた中山間地域の徳島市一宮町。
豊かな神山の森から流れる鮎喰川水系の地下水によって、米作りなどの農林業で栄えてきた町です。
しかしながら、過疎・高齢化や米価の低迷などにより、一宮での米作りは衰退の一途をたどっています。
昔は家族・親族総出で田植えや稲刈りなどの作業を行う様子が見られましたが、機械化の副作用としてそういった文化はなくなりました。
加えて県外への進学・就職で地域の過疎化が進み、次世代の担い手も激減、そこに米価の低迷・減反政策なども加わって離農者・耕作放棄地の増加が止まらない現状です。
「それはどこも同じ世の中の流れ」と言えばそれまでですが、水田は単に米を作っているだけではなく、様々な機能があります。米の需要が減っているから水田は減っても良い、という訳ではありません。
水田にはミミズや蜘蛛、トンボなどの小動物・昆虫が棲み、それをカエルやドジョウなどが食べ、またそれをサギや渡り鳥などの鳥類が…と生態系の基礎を作っています。
また水田の保水機能は、近年多発する集中豪雨時などに洪水を防ぐ調整池の役割も果たしています。水田の壊滅は生態系、そして街の壊滅にも繋がることなのです。
そんな水田をこれからも守っていくために、我々一宮で農業を営む者としてはもちろん、流域でもある水都徳島の皆様とともに、米作りを楽しみながら盛り上げていきたい…そう考えて「徳島一宮・田んぼオーナー制度」を始めることにしました。
徳島でお米を育て、徳島の自然を守り、街を守る。ぜひあなたのお力を貸してください。
自己紹介
こんにちは。石井孝典と申します。
徳島市一宮町で株式会社石井組という建設会社を経営しています。
家は農家でもあり、長らくお米やブロッコリーを作ってきましたが、この先も継続的に一宮で農業をしていくため、会社の事業目的に農林業も加え、新たな一歩を踏み出そうとしています。
私が子どもの頃には、まだまだ多くの農家さんがあり、農繁期には多くの人が田畑に出て働いていました。また一宮は中世の頃より、徳島の街中の人々と、神山など豊かな山の恵み・鮎喰川の魚などの産物を結びつける市が開かれ、交易の場として栄えてきました。
街道沿いを中心に商店や人家も多く、賑わいもあったのですが、近年は過疎・高齢化が進み、商店は廃業し、空き家も増えてきました。特に若い世代は少なく、徳島市という行政区でありながら、地域の存続が危ぶまれるくらいです(その行政区ゆえに神山や上勝のような、抜本的なテコ入れがされないという側面があるかもしれません…)。
この一宮にもう一度賑わいを取り戻したい。そのために自分たちなら何ができるか?
それを考えたときに農家の長男として頭に浮かんだのはやはり「米作りの再興」でした。
一宮は神山の山中を源流とする鮎喰川が流れていますが、その水の多くは地表に現れず、伏流水となって地下を流れています。
その水は古来より名水とされ、染色や日本酒・味噌・醤油などの醸造にも使われてきました。
私たちはこの水を使って米作りをしています。だから一宮の米は旨い! …といっても根拠なしでは仕方ないので、食味分析に出したところ、普通に慣行栽培で作っているもの(コシヒカリ)でも80点前後の数字を得ています(H30・R1産)。徳島で初めて特A評価を得た品種(あきさかり)と同時に出しましたが、それと遜色ない数値でした。
もし良い水で旨い米が獲れる、徳島の米どころとして一宮が知られるようになれば、この地の農家の所得も改善するとともに、ここで農業をやってみよう・継いでみようとUIJターンする人も出てくるのではないかと思いました。
また直接移住までしなくとも、市内中心部からも車で30分程度であり、週末などに一宮産の農作物を買いにきたり、川や里山で生き物に触れたり、兼業や体験で田畑をしてみたり…という関係人口が増えてもいいのではと考えています。
また、建設業を営む者として、県内の河川工事などにも関わっていますが、近年の集中豪雨の増加など、災害対策としての水田の効用にも注目しています。
ダムや遊水地の建造には莫大な費用が必要ですが、水田の貯水機能がそれらの代わりを果たしてくれます。
さらに水を湛えた田んぼには多くの水棲生物が集まり、里山の食物連鎖・生態系のベースになるなど、水田は多くの価値を秘めています。
食生活の変化や輸入農産物に押される形で、米価は下落の一途をたどり離農に拍車をかけていますが、これら水田の本当の価値を知ってもらい、かつ美味しいお米、地元のお米を買って食べてもらうことで、街のみんな(人だけでなく虫も鳥もあらゆる生き物)が幸せになれるのではないかと思うのです。
それを実現する手法として、「徳島一宮・田んぼオーナー制度」を企画、今回クラウドファンディングでご協力をお願いすることに致しました。
株式会社石井組について
祖父の代は林業・製材業を中心とし、父親の代に建設業を起こし、平成23年(2011)に私が引き継ぎました。
一般道・高速道などの道路工事、管工事(通信・配水)、農業土木工事などを中心に行い、役員含め10名に満たない小さな会社ですが、地元一宮町の方々にも支えられ、今年設立30周年を迎えました。
今どきの土木系建設会社には珍しく、現場社員の平均年齢は30代前半という若手中心の会社です。
家は農家でもあり、長らくお米やブロッコリーを作ってきましたが、この先も継続的に一宮で農業をしていくため、会社の事業目的に農林業も加え、30年の節目に新たな一歩を踏み出そうとしています。
街のあらゆるものが幸せになるために
これら水田の本当の価値を知ってもらい、かつ美味しいお米、地元のお米を買って食べてもらうことを実現するためにはいくつかのハードルがあります。
・マンパワー不足
米価が下落し続けていることで、米農家を継ぐ人材が減っています。
現在の卸価格では中小規模の米農家では利益が出ないどころか、下手をすれば赤字の状態です。
私たちも兼業ゆえにどうにか維持できていますが、このままでは新たに米農家になろうという意欲的な人は現れず、日本の水稲文化は衰退し続けるでしょう。
・知名度不足
農産地として、一宮町はほとんど知名度がありません。面積として小さいこともありますが、行政区的に徳島市に含まれているため、一宮町という単位でとらえてもらえません。
隣接する神山町や佐那河内村は独立した行政区のため、農業・林業や移住政策といった部分でも様々な機関が取組み、補助があったりもしますが、一宮は完全ノーマークの忘れられた地です(笑)。
何か特長を押し出して、どんどん発信していくことが必要です。
・専門知識不足
上記の問題から、まったくと言っていいほど認知されていない一宮の米作り…
故に注目してくれる研究者、営農技術者なども見当たりません。
科学的に土壌や地理的条件から一宮の米は美味しい、こうすればもっと美味しくなる…
そんなアドバイスをしてくれるような方を私たちは求めています。
これらのハードルを一度にクリアすることは難しいですが、まずは1人でも多くの人に一宮では美味しい米が穫れると知ってもらうこと、また一宮の自然と水稲文化に触れてもらうことが必要だ、それが今の私たちにできる最初の一歩だ…と考えました。
田んぼオーナー制度
田んぼオーナー制度とは、田んぼの一定スペースを年間契約していただき、収穫後にお米をお渡しするという方式です。
実際の栽培管理は私たち地元の農家が行いますので(経過はニュースレターなどでご報告します)、直接農作業をしなくても「自分の田んぼ」を持つことが可能です。
お休みの日などは田んぼを見に来ていただくことも可能ですし、お子さんの自然体験・食育などにも良いかと思います。
現在は新型コロナウイルスの影響で、人が集まるイベントは難しいのですが、いずれは田植えや稲刈りといった体験イベントも開催したいと考えています。
この企画を通じ、一宮のお米の美味しさ、自然とのふれあいなど、色んな魅力を発見していただければと思います。
地元徳島の水田・水稲文化を地元の我々の手で守る。ぜひこのオーナー制度にご参加いただき、一宮の田んぼに足を運んで、自然に触れ、味わってみてください。
自身、徳島で生まれ育ち、仕事をさせてもらっている者として、街のためにできることを常に探しています。
良い街、良い自然、良い仕事を次の世代へ残して行きたいと思います。
徳島出身の方、お住まいの方、ご縁のある方、ぜひご支援をお願い致します。
今後の目標とエクステンションゴールについて
私たちの取り組みに賛同してくださる方が多ければ、さらなるステップへ挑戦していきたいと考えています。
耕作放棄地は景観の問題だけでなく、雑草繁殖や虫害の原因にもなるため、できるだけ手入れしたり農地として活用したいのです。
しかし、形状が悪い、担い手がいない、復帰費用が出せないなどの問題で手が付けられていない箇所も多くあります。
そこで、ご支援をいただいた総額が60万円を超えた場合には、一宮町内(適正地がない場合は近隣)の耕作放棄地を1区画復帰作業いたします。
農機や建機を入れて伐採・耕起し、作付をして農地としての再生を図ります。
さらに、私たちはこれらの事業が一過性ではなく、継続的に発展していくことを願っています。
そのためには学生さんなど、若い人にも参加してもらいたいと考えています。
産学連携で研究機関の知見や新しいアイデアを活かして、一宮の農産物や街自体をPRしていくような活動にも挑戦したいと思います。
皆様からのご支援総額が100万円を超えた場合には、県内教育・研究機関と合同で、一宮町の農産品をPRするための調査研究ならびに新商品を開発・販売することに挑戦します。
まだ未定の部分が多く含まれておりますが、これらの今後の活動については中長期的に見守っていただければ幸いです。
目標金額と追加の返礼品について
【 初期目標:30万円 】
返礼品のリストでご確認ください。
【 セカンドゴール:60万円 】
一宮町内(適正地がない場合は近隣)の耕作放棄地を1区画復帰。
追加リターン 7,000円以上ご支援いただいた方に粗品進呈
※できればその復帰地で採れたもの
※地権者さんとの調整などもあり、令和3年中にお届けできない場合もあります。
【 エクステンションゴール:100万円 】
産学連携等での一宮町の農産品ブランディング企画キックオフ
追加リターン 7,000円以上ご支援いただいた方に粗品進呈
※できればその企画で開発された商品をお届け
※調査研究内容や策定される企画により成果品が変わるなど、未定内容が多いですがご了承ください。
返礼品について
3,000円
御礼のメールとHPお名前掲載
ご支援していただいた方のお名前を、株式会社石井組のHP上に掲載致します(記載名は自由です)。
5,000円
報告書と試食用米2合(300g)
御礼のお手紙とともに活動報告書、そして一宮産のお米を試食用に2合分お送りします。
(お米の銘柄はコシヒカリかあきさかり、もしくはミルキークイーンのいずれか)
HPへのお名前掲載も付いています(記載名は自由です)。
7,000円
先着5名!報告書と一宮産米食べ比べセット2合×3種(計900g)【限定5個】
先着5名さまのみ、お得な価格!
御礼のお手紙とともに活動報告書、そして一宮産のお米を3種×2合分お送りします。
(お米の銘柄はコシヒカリ・あきさかり・ミルキークイーンの3種予定)
HPへのお名前掲載も付いています(記載名は自由です)。
8,000円
プロジェクト応援コース
ご支援していただいた方のお名前を、株式会社石井組のHP上に掲載致します(記載名は自由です)。
また令和3年度作付期間中、倉庫横に看板を設置してお名前を掲載いたします。
10,000円
報告書と一宮産米食べ比べセット2合×3種(計900g)【限定25個】
御礼のお手紙とともに活動報告書、そして一宮産のお米を3種×2合分お送りします。
(お米の銘柄はコシヒカリ・あきさかり・ミルキークイーンの3種予定)
HPへのお名前掲載も付いています(記載名は自由です)。
15,000円
先着5名!令和3年度・田んぼオーナー1区画分(1アール)【限定5個】
先着5名さま、お得な価格!
徳島一宮・田んぼオーナー制度の1区画分(1アール)の権利を差し上げます。農繁期のニュースレターをお届けするとともに、収穫後は玄米40kg分のお米を配達致します(10kg程度で4分割など)。夏休みのお子様の自由研究など、田んぼへの訪問などもご案内できるほか、田植えや稲刈りなどの体験参加も募る予定です(新型コロナウイルスの動向次第)。
HPへのお名前掲載の他、田んぼ付近にもオーナー様名の看板(オーナー合名)を設置致します。
※国民1人あたりの米消費量が年間54.4kgだそうです(H28、農林水産省HPより)
20,000円
令和3年度・田んぼオーナー1区画分(1アール)【限定25個】
徳島一宮・田んぼオーナー制度の1区画分(1アール)の権利を差し上げます。農繁期のニュースレターをお届けするとともに、収穫後は玄米40kg分のお米を配達致します(10kg程度で4分割など)。夏休みのお子様の自由研究など、田んぼへの訪問などもご案内できるほか、田植えや稲刈りなどの体験参加も募る予定です(新型コロナウイルスの動向次第)。
HPへのお名前掲載の他、田んぼ付近にもオーナー様名の看板(オーナー合名)を設置致します。
※国民1人あたりの米消費量が年間54.4kgだそうです(H28、農林水産省HPより)
50,000円
法人向け令和3年度・田んぼオーナー1区画分(1アール)【限定3個】
徳島一宮・田んぼオーナー制度の1区画分(1アール)の権利を差し上げます。農繁期のニュースレターをお届けするとともに、収穫後は玄米40kg分のお米をお渡しします。お米は1kgずつの小分けにして、貴社オリジナルパッケージを制作(ラベル等)。年末のご挨拶などにもお使いいただけます。
HPへのお名前掲載の他、田んぼ付近にもオーナー様名の看板(単独)を設置致します。
150,000円
法人向け田んぼオーナー+石井組感謝の餅つき出張【限定1個】
年末もしくは年始(日程調整にて)、貴社へ石井組メンバーがご訪問し、餅つきを奉納(?)。土木現場仕込みの元気な餅つきで厄を払い、新年の飛躍を願います。
徳島一宮・田んぼオーナー制度の1区画分(1アール)の権利を差し上げます。農繁期のニュースレターをお届けするとともに、収穫後は玄米40kg分のお米をお渡しします。お米は1kgずつの小分けにして、貴社オリジナルパッケージを制作(ラベル等)。年末のご挨拶などにもお使いいただけます。
HPへのお名前掲載の他、田んぼ付近にもオーナー様名の看板(単独)を設置致します。
挑戦者の自己紹介
石井 孝典
所属:(株)石井組
役職:代表取締役
徳島で土木建設業・農林業を営んでいます。
毎日自然に触れる仕事をしていると、その有難さを感じるとともに、子どもたちやこれから生まれてくる世代に少しでも良い形で残していかなければいけないと思うようになりました。
走り出したばかりの企画ですが、できるだけ長く続けていきたいと考えています。
未来に向けてのご支援、何卒よろしくお願い申し上げます。
Katsumi Yamaguchiさん
徳島県出身です。今は東京に住んでいます。一宮町出身ではありませんが、実家に帰省するたびに過疎が進んでいることを感じます。農家も多かったのですが、跡継ぎがいないため、他の人に土地を貸したり、やむなく農業を辞めてしまっています。どこでも同じような環境ですが、その中でも若い力で現状を打破して行こうとしている取り組みに対し、些少ながら支援させて頂ければと思います。もっと近くに住んでいればお手伝いさせて頂きたいくらいです。