「重症肺炎の集中治療後症候群」について
クラウドファンディングへの御支援ありがとうございます。
コロナウイルスの感染拡大が懸念されますが、特に気になるのは重症化した場合にどうなるのかだと思います。重症化した場合の急性呼吸窮迫症候群(ARDS:Acute Respiratory Distress Syndrome)についてまとめました。
ARDSの死亡率は1996年から2013年まで35.4%から28.3%まで低下しました[1]。しかし生存退院したその後はどうなっているのでしょうか。
身体機能に関しては6分間歩行をみるとICU退室3ヵ月後が標準の49%、6カ月後が64%、12カ月後が66%までしか改善していません[2]。5年後でも76%に留まります[3]。歩行障害の原因としてICU入室中の筋萎縮があり、ICU退室6-12カ月後も筋萎縮改善が乏しいといわれています[4]。
精神面ではどうでしょうかICU退室5年後でも不安、抑うつ症状、post-traumatic stress disorder (PTSD)をそれぞれ38%、32%、23%の患者さんに認め、長期的な精神的支援を要することが分かります[5]。
その結果、社会復帰に関しては退院1年後に44%の患者さんは仕事に復帰できず、71%の患者が経済的に困窮しています[6]。退院5年後でも職場復帰率は69%に留まり、合併症の多い患者さんや施設転院となった患者では30%程度しか職場復帰できていなかったという報告があります[7]。
ARDSになると多くの患者さんが集中治療後症候群と戦っています。
これは事実です。しかしあくまで過去の事実です。
僕達にはできることがまだまだあります。
解決できる研究があります。
「筋萎縮ゼロプロジェクト」
ARDSでICUに70日滞在して社会復帰をはたした患者さんもいます[8]。
皆様の御協力、宜しくお願い致します。
1. Zhang Z, Spieth PM, Chiumello D, Goyal H, Torres A, Laffey JG, Hong Y (2019) Declining mortality in patients with acute respiratory distress syndrome: an analysis of the acute respiratory distress syndrome network trials. Crit Care Med 47:315-323
2. Herridge MS, Cheung AM, Tansey CM, Matte-Martyn A, Diaz-Granados N, Al-Saidi F, Cooper AB, Guest CB, Mazer CD, Mehta S, Stewart TE, Barr A, Cook D, Slutsky AS (2003) One-year outcomes in survivors of the acute respiratory distress syndrome. N Engl J Med 348:683-693
3. Herridge MS, Tansey CM, Matte A, Tomlinson G, Diaz-Granados N, Cooper A, Guest CB, Mazer CD, Mehta S, Stewart TE, Kudlow P, Cook D, Slutsky AS, Cheung AM (2011) Functional disability 5 years after acute respiratory distress syndrome. N Engl J Med 364:1293-1304
4. Chan KS, Mourtzakis M, Aronson Friedman L, Dinglas VD, Hough CL, Ely EW, Morris PE, Hopkins RO, Needham DM (2018) Evaluating muscle mass in survivors of acute respiratory distress syndrome: a 1-year multicenter longitudinal study. Crit Care Med 46:1238-1246
5. Bienvenu OJ, Friedman LA, Colantuoni E, Dinglas VD, Sepulveda KA, Mendez-Tellez P, Shanholz C, Pronovost PJ, Needham DM (2018) Psychiatric symptoms after acute respiratory distress syndrome: a 5-year longitudinal study. Intensive Care Med 44:38-47
6. Kamdar BB, Huang M, Dinglas VD, Colantuoni E, von Wachter TM, Hopkins RO, Needham DM (2017) Joblessness and lost earnings after acute respiratory distress syndrome in a 1-Year national multicenter study. Am J Respir Crit Care Med 196:1012-1020
7. Kamdar BB, Sepulveda KA, Chong A, Lord RK, Dinglas VD, Mendez-Tellez PA, Shanholtz C, Colantuoni E, von Wachter TM, Pronovost PJ, Needham DM (2018) Return to work and lost earnings after acute respiratory distress syndrome: a 5-year prospective, longitudinal study of long-term survivors. Thorax 73:125-133
8. 中西 信人, 髙島 拓也, 西川 真理恵, 岡久 哲也, 土肥 智史, 野村 慶子, 福岡 千佳, 河原 良美, 吉田 奈緒美, 中山 志津, 中瀧 恵実子, 板垣 大雅, 大藤 純 (2019) 長期間の多職種連携による離床により人工呼吸器からの離脱に成功したacute respiratory distress syndrome (ARDS)の1症例. 四国医学雑誌 75:103-108

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