クラウドファンディング後の反響や支援金の使い道(クラウドファンディングを終えて。vol.3)
味覚障害研究の堤先生へのインタビュー、3部構成の第3回目です。
(下記より、敬称略)
---病院食っておいしくないイメージがあるけど、それは仕方がないことで、病院もキレイになってきたりしているし、病院食にもおいしさが求められてきていますよね。
堤)徳島大学病院でも患者さんに少しでも食を楽しんでもらいたいと、ラーメンやちらし寿司やお好み焼きなどが選べる「選択食」を設けることをしています。
---選択できるのはいいですね。
ところでこのふりかけは普通のスーパーでも買えたりしますか?病院だけですか?
堤)それを今どうするか悩んでいます。
「病者用食品」という病気の人用の食品は、認定を取ろうとすると、時間とお金がとてもかかります。
「機能性食品」はそんなにかからないのですが、健康な人を対象にしています。
たとえば機能性食品は「コレステロールを減らす」、や「血圧をさげる」とは記載することができず、「眠りをよくする」であったり、「疲れをとりやすくする」という効能にとどまり、データも健康な人からとったデータでないと使えません。
---このふりかけは普通の人が食べても問題ないのですか?
堤)問題ないですよ。よければ食べてみてください。
あとこれも。上勝のユコウから作ったジュースなんですけど、私の学生がラベルを作ってくれました。
---すごいですね!ありがたくいただきます。
それで質問なんですが、クラウドファンディング後の反響はありましたか?
堤)そうですね、ふりかけはクラウドファンディングの少し前から行っていることで、徳島新聞に取り上げられました。
クラウドファンディングを通して、がん患者さんが抱える味覚障害について取り組んでいることを、より多くの人に知っていただけたことを実感しています。
また研究資金を得ただけでなく、学会でもクラウドファンディングの経験を話し、仲間たちと共有する機会を頂くことがありました。
日本栄養食糧学会の若手研究者の集いで、去年「CFをしていたのを見た」と言われ、その経験を講演で話して欲しいと頼まれたのです。
CFに挑戦するということを通して、自分の研究に対する社会的意義や位置づけが分かり、モチベーションにもつながるのではないかと思います。
またその集いでは企業の人も来ていて、私達も一緒になってできるのかどうかなど聞かれました。
あとテレビやラジオからもクラウドファンディングをしていたのを見たと言って取材依頼が来ました。
もともと某テレビ局さんは三カ月に一度ぐらいの頻度で研究の進捗を聞きに来てくれるのですが、研究が追い付いていない状況です。
---そうなんですね。でも研究成果が世に出るのは良い事だと思います。
堤)あとクローズアップ現代のコンテンツでもこのふりかけについて紹介していただいたので、また見ていただけたらと思います。
https://www.nhk.or.jp/gendai/kiji/128/
---そうなんですね!またあとで拝見させていただきます。
あと、クラウドファンディングの支援金の使い道についてお聞きしてもよろしいでしょうか?
堤)味覚障害の研究を進める環境を整える用途で使用させていただきました。
具体的にはマイクロインジェクション(メダカの卵などに遺伝子を導入するのに用いる)を行う機器と、試薬などです。
光るメダカを作成するのに使った手法である、クリスパーキャスナインは最近ではよく使われる有名なゲノム編集に使うものです。
それで目的の遺伝子をノックイン、ノックアウト両方をすることができます。
ある生物の遺伝子の中で、取り除きたい遺伝子を取り除き、入れたい遺伝子を入れることができます。
それで光るメダカを作りました。
今はそのメダカを繁殖させているところです。
---その光るメダカ同士で、また光るメダカが生まれるのですか?
堤)そうなります。
---一個一個の卵にインジェクションで遺伝子を入れる必要はないということですね。
堤)一度作ることができれば、その後は普通に繁殖させることができます。
---クラウドファンディングの支援金は全て使われたのですか?
堤)寄付金でもらったお金ですが、もったいないので少しまだおいています。
寄付金なので、なんでも使えて使い勝手はいいですね。
ただ、今回患者さんからたくさん支援をいただきました。
自分の中では非常にありがたく、大切に使いたい貴重すぎるお金なので、そういう意味では簡単に使えないところもあります。(笑)
---そうなんですね。支援者さんも、先生の研究が円滑に進まれることを一番望んでいると思いますので、また何か困ったときにお使いいただければいいのかなと思います。
これからの研究の展望についてはいかがでしょうか?
堤)味覚に関しては、うま味以外の味覚障害に効くものを探していかないといけないと思っています。
化学療法だけでなく、様々な原因で起こる味覚障害に対応していきたいと考えています。
〇直接お話させていただくと、味覚に障害があっても食事をおいしく、楽しくしたいという思いがより伝わってきて、とても共感できました。
メダカを増やすことにも成功したということで、これからの実験や成果にとても期待できる気がします。
堤先生、ありがとうございました!
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