光で骨や筋肉の腫瘍を抑える、新しい整形外科治療への挑戦
はじめまして。徳島大学整形外科で骨・軟部腫瘍を専門にしている西庄俊彦です。私は15年ちかく、骨腫瘍と筋肉などに発生する軟部腫瘍、骨・軟部腫瘍の治療に携わってきました。
「なぜ整形外科医が光の研究を?」と思われるかもしれません。それは、患者さんの「命」だけでなく「動ける未来」を守るために、新しい治療の選択肢を増やすが必要があると痛感してきたからです。

私たちはこれまでの研究で、青色LEDの光が滑膜肉腫という悪性軟部腫瘍細胞の増殖を抑えることを世界ではじめてあきらかにしました。他の骨・軟部腫瘍についても研究し、これらの成果は国際誌 Cancer Medicine(2023年・2025年)で発表されました。光を当てることで骨・軟部腫瘍を抑える――その可能性は、患者さんの治療の選択肢を増やし、生活と医療のあり方を大きく変える力を秘めています。

患者さんが願うのは「動けること」
骨や軟部腫瘍は希少ながんで、治療の選択肢が限られています。また、がんの転移によって骨に腫瘍ができる「転移性骨腫瘍」は増え続けています。治療が進歩し生存期間が延びても、転移による病的骨折や神経圧迫による麻痺が起こると、患者さんは動けなくなり、生活の質(QOL)は著しく下がります。さらに、人生の最期をどう過ごせるかという「死の質(Quality of Death, QOD)」までも低下してしまうのです。
私は整形外科医の腫瘍専門医として、こうした患者さんを数多く診てきました。腫瘍を取り除き命を救えても、動く能力は低下してしまう。また末期の患者さんは転移性骨腫瘍でも手術すらできずに車椅子やベッド上の生活を余儀なくされる。患者さんが「がんそのものよりも、動けないことが一番つらい」と語る姿に、幾度となく胸を締めつけられました。

徳島大学整形外科は「運動器の機能を守る」ことを理念に掲げています。病理部・放射線科・小児科・他の外科系診療科と連携し、正確な診断と確実な切除、そして可能な限りの患肢温存を追求してきました。液体窒素処理やアルコール処理、手術前の放射線治療など多様な工夫を重ねて「動ける未来」を守ろうと努めてきました。
しかし、それでも広範囲な切除が避けられない患者さんがいます。また手術すらできない患者さんもいます。命は保たれているが、動く力が低下してしまう。――その現実は、整形外科外科医としての深いジレンマを伴います。命と機能の両方を守る治療をどうしても生み出したいと考えています。その答えの一つが「光」でした。

なぜ新規治療開発に挑むのか
青色LEDを当てると腫瘍細胞だけが死に、正常細胞にはほとんど影響がないことを私たちは突き止めました。その仕組みは、光によって生じる活性酸素(ROS)が腫瘍細胞のミトコンドリアを障害することで説明されます。
光はすでに医療分野でも応用されており、創傷治癒の促進、細菌感染の抑制、ウイルス不活化、皮膚疾患治療など、安全性と有効性が確かめられています。さらに近年は悪性黒色腫、大腸がん、白血病、膵臓がん、膀胱がん、骨肉腫などで抗腫瘍効果が報告されています。
しかし、軟部腫瘍に対する報告はいまだ一つもありませんでした。ここに私たちの研究の新規性があります。誰も挑戦してこなかった領域に踏み込み、メカニズムを解明し、臨床応用の道筋をつける――それが私の使命です。光は新しい標準治療法になる可能性を秘めています。

光が腫瘍を抑える---研究室で見えた希望
実験では、青色LEDを当てると腫瘍細胞の増殖が止まり、細胞死(アポトーシス)が誘導されました。一方で正常細胞にはほとんど影響がありません。まるで光が“がんだけを選んで攻撃する”かのような現象を見たとき、私は震えるような希望を感じました。

この成果は国際誌で発表され、2022年には新聞にも「切除に代わる治療法への期待」と紹介されました。記事をきっかけに、市民の方々から「光が治療になるなんて驚いた」「この治療法はまだできないのか」と声をいただきました。研究室での発見は、すでに社会からの明確な期待へと変わっています。
このプロジェクトで実現すること
このプロジェクトは、研究室の成果を「患者さんに届く治療」へ近づけるための第一歩です。
・基礎研究:なぜ光が効くのかを明らかにする
光が腫瘍細胞にどのような変化を起こすのかを遺伝子・分子レベルで解析し、正常細胞を傷つけない理由を解明します。
・実証研究:実際の体で効果を確かめる
骨転移や骨・軟部腫瘍を再現した動物モデルを用いて、安全性と有効性を数値で検証します。腫瘍縮小効果だけでなく、副作用 の有無も慎重に確認します。
・社会実装準備:治療として届ける仕組みをつくる
深部の腫瘍にも光を届けられるよう、カテーテルや内視鏡と組み合わせ可能な医療用LED装置を試作し、外来でも受けられる現実的な治療を目指します。
これらが実現すれば、「光を用いた腫瘍治療」という新しい骨・軟部腫瘍治療の選択肢が現実になります。これは、従来の手術や放射線が難しい患者さんにとって、あたらしい希望となり得るのです。

支援のお願い――新しい可能性を、一緒に育ててください
光による治療は、まだ始まったばかりの研究です。しかし、その可能性はすでに示されています。臨床に橋渡しするためには、動物実験や装置開発、成果を社会に発信するための資金が不可欠です。

皆さまのご支援は、
患者さんが歩ける未来をつくる力
「もう治療法がない」という限界を打ち破る力
徳島から世界へ、新しい医療を届ける力
となります。
この研究は「一人の研究者の夢」ではなく、社会全体で育てていく新しい可能性です。患者さんやご家族だけでなく、未来に同じ病に直面するかもしれない誰かのために、今日の一歩が未来を変えます。
私は光の力を信じています。しかしそれを現実にできるのは、研究者一人の努力ではなく、市民の皆さまと一緒に挑むことです。
どうかこの挑戦に力を貸してください。
皆さまの応援が、新しい医療の可能性を現実に近づけ、患者さんの「動ける未来」を守る大きな力になります。皆さまの温かいご支援をお願いいたします。

国立大学法人徳島大学への寄付と税制について
本プロジェクトへのご寄付は、徳島大学基金「教育・研究・社会貢献事業」への寄付として受入れ、支援に役立てます。徳島大学基金からの謝意としては、広報誌、教育・研究・社会貢献事業報告書をお送りさせていただいております。
国立大学法人徳島大学へのご寄付につきましては、個人からの寄付では所得税の所得控除、住民税(徳島県と県内市町村が条例で指定する寄付金として)の所得控除、法人からの寄付では法人税の損金算入が認められます。
寄付金領収書は本プロジェクト終了日である、2026年5月1日の日付けで発行いたします。税制上の優遇措置をお考えの方は対象となる年にご注意ください。
個人からのご寄付
国立大学法人徳島大学に寄付金を支出した場合は、所得控除制度が適用され、(総所得金額の40%を上限とした寄付金額)から2,000円を差し引いた額が課税所得から控除されます。
実際の税控除額は前記の控除額に各人の税率を乗じたものになります。
個人住民税については、(寄付金(総所得額の30%が限度)-2,000円)×10%が寄付控除額となります。
10%の内訳は、都道府県が指定した寄付金が4%、市町村が指定した寄付金が6%となっています。
確定申告期間に所轄税務署で確定申告手続きを行う必要があります。その際に、国立大学法人徳島大学が発行する『寄付金領収書』が必要になります。
住民税の控除適用のみを受けようとする方は、『寄附金領収書』を添えてお住まいの市町村へ「都道府県民税・市町村民税控除申告」を行ってください。
法人からのご寄付
法人からのご寄付につきましては、寄付金額全額が当該事業年度の損金に算入されます。
この寄付金による損金算入は、国立大学法人徳島大学が発行する『寄附金領収書』で手続きができます。
振込によるご寄附について
このプロジェクトはクレジットカード決済以外に銀行、郵便振込によるご寄附も受け付けています。
入金確認のための支援者様の振込名義などをお知らせいただく必要があります。銀行、郵便振込によるご寄付の場合は必ずご記入をお願いいたします。
≪手順≫
①リターンのコースを選択し、「寄附するボタン」を押してください。
金額を確認し、配送先住所の入力を終えると、振込で支援するかカードで決済するかを選択できます。
表示される画面に従い、次の事項を入力してください。
振込先、口座番号等は申し込みをいただいたのち、支援者様に自動返信メールにて連絡します。
・振込名義人のお名前
・金額
・寄附コースの名称
・領収書などの送付先住所、電話番号、メールアドレス
・お名前公表について(はい・いいえ)
②ご注意事項
・振込に際しては振込手数料のご負担をお願いいたします。
・カード決済でご利用できるのは、Visa、Mastercard、JCB、American Express
となっております。
挑戦者の自己紹介
西庄 俊彦
所属:徳島大学医歯薬研究運動機能外科学(整形外科)
役職:准教授/医局長
徳島大学 医歯薬学研究部 運動機能外科学講座(整形外科)
特任准教授/医局長 骨・軟部腫瘍外科 医学博士
小さいころから体を動かすのは好きで、陸上や野球に夢中になり、大学時代は野球部に所属していました。両親が医師で自然と同じ道を選びました。基礎研究は学生時代ら興味があり、少しだけ研究室にも通っていました。整形外科を選んだ理由は救急外傷に興味があったからですが、当時の教授にすすめられて骨・軟部腫瘍を専門としました。もともとは強い関心のある分野ではありませんでしたが、一人ひとりの患者さんに向き合ううちにその難しさと重要さに惹かれ、今では臨床や研究に大きなやりがいを感じています。
現在は仕事と子育ての両立に奮闘中で、これといった趣味は持てていませんが、運動は早朝にジョギングや約8キロの自転車通勤を可能な限り続けています。休日は子供のテニスに付き合うことが多いですが、こうした家族と一緒にいる時間がリフレッシュになっています。カナダ留学中は登山の楽しさを知り、また行きたいと思いつつも時間が取れずにいますが、冬には徳島の山へ子供を連れていってスキーを楽しんでいます。患者さんの「動ける未来」をささえるために、日々挑戦を続けています。
酒井紀典さん
オンライン講義、いりません。がんばってください