「徳島に“安心と癒しのケア”を届けたい」
こんにちは。徳島大学で看護学の教育研究に携わっております、岩佐幸恵と申します。
看護リカレント教育センターの副センター長として、働きながらキャリアアップを目指す看護師の学び直しも支援しています。
私は、患者さんの不安や痛みに寄り添い、心を落ち着かせる“やさしく触れるケア技法”を徳島で学べる環境をつくることを目指しています。
病室では、
治療の痛み、眠れない夜、先の見えない不安など、医療だけでは支えきれない“心の負担”が確かに存在します。
そんなとき、看護師がそっと手を添えるだけで、表情がゆるみ、呼吸が落ち着く瞬間があります。
この小さな変化が、患者さんにとって大きな安心につながります。
しかし、このような触れるケアの技法は書籍や動画だけでは身に付かず、実際の体験を通して習得する必要があります。
発祥の地スウェーデンには体系的に学習できる環境がありますが、日本からは距離が遠く、受講料だけでなく渡航費や滞在費も高額で、
多くの看護師が学びたくても参加できない状況にあります。
だからこそ、本場スウェーデンのやさしく触れるケア技法を、徳島で専門的に学べる講座として開講し、地域に広めていきたいと考えています。
この挑戦の原点には、
「患者さんの不安や苦痛を、少しでも軽くできる看護がしたい」
という、看護師としての切実な思いがあります。

やさしく触れるケア技法は、患者さんの気持ちを支える“静かな力”です。
触れるケアは、手のひらでやさしく触れたり、呼吸に合わせてゆっくりと圧を加えたりする、人が自然に行ってきたケアのひとつです。
しかし、この“やさしくゆっくり触れる”という行為には、科学的に裏づけられた効果があります。
人の皮膚には C触覚線維(C‑tactile fiber) と呼ばれる神経があり、
やさしい触れ方を受け取ると、その信号が脳に伝わり、
「オキシトシン」と呼ばれる“安心のホルモン”を分泌します。
オキシトシンは──
・不安を軽減する
・心身をリラックスさせ心拍や血圧を落ち着かせる
・痛みやつらさをやわらげる
・睡眠の質がよくなる
といった作用をもつことが、国内外の研究で明らかになっています。
私自身、自律神経の変化を測定する研究を行う中で、
やさしく触れるケア技法が副交感神経の活動を高め、身体をリラックス状態へ導くことをデータとして確認してきました。
つまり、やさしく触れるケア技法は「優しさ」だけではなく、
科学的根拠を持つ看護技術であり、看護が持つ力を最大限に活かすアプローチなのです。
ただし、このケアは文字や動画では習得できません。
“触れられたときの感覚”を自分自身が体験しないと、どの圧が心地よいのか、どれくらいの速度で触れられると安心するのかを理解できないからです。

スウェーデンでの学びが、徳島での挑戦につながりました。
やさしく触れるケア技法を体系的に学び習得したいと考えた私は、発祥の地であるスウェーデンへ赴きました。
そこで、Tactile massage(タクティール・マッサージ) の開発者である Siv Ardeby(シーヴ・アーデビィ)氏 から、直接指導を受ける機会に恵まれました。

Ardeby 氏は、触れるケアの理論と技術を長年研究し、医療・教育・福祉の現場に広めてきた第一人者です。
開発者本人から受ける講義と実技指導は、書籍や映像では決して得られない深い理解につながり、技術の質を左右する貴重な学びでした。
「やさしく触れるケアは、心を癒すだけでなく自然治癒力も高め、その人の尊厳を守る行為でもある」
この言葉に出会ったとき、私は「これこそナイチンゲールにも通じる看護の原点だ」と確信しました。
そして、その思いを徳島の看護師に伝え、広めていこうと心に決めました。

また、Siv Ardeby 氏との信頼関係が築けたことで、
徳島でこの手技を正しく伝えるための協力が得られたことは、私の挑戦にとって大きな力となりました。

やさしく触れるケアは、いまの医療にこそ必要な技術です。
この技法は、患者さんの苦痛をやわらげ、治療効果を支える力をもつ看護技術です。
これは医療行為の代わりではなく、
治療だけでは満たしきれない心の部分を補い、癒しを与える看護の可能性でもあります。
医療が高度化し、効率が求められるいま。
一方で、患者さんが感じる不安や孤独は大きくなるばかりです。
だからこそ、
「触れて寄り添い、不安をそっととりのぞくケア」
が必要とされています。

私が目指すのは、“やさしさと安心に満ちた徳島の医療”
敬意と思いやりをもってやさしく触れるケアは、患者さんの不安を和らげ、
心を落ち着かせ、
“安心して過ごせる時間” をつくります。
その積み重ねが、徳島の医療をもっとあたたかく、安心のある場へ変えていくと信じています。
この取り組みは特別な誰かのためではありません。
徳島に暮らすすべての方のための医療をより良くするための挑戦です。

看護リカレント教育センターは、徳島の看護を支える“第二の学び場”です。
徳島大学 看護リカレント教育センターは、
社会人として働く看護師が、大学に戻り、再び学びを深めるための拠点です。
夜勤明けでも、休日でも、
「もっと患者さんの力になりたい」と学びに来る看護師がたくさんいます。
大学には、学びを地域に還元する使命があります。
私は副センター長として、徳島の看護を未来へつなぐための教育づくりに携わっています。

看護師が学び続けられる環境は、地域医療にとって欠かせません。
特に優しく触れるケア技法のような
“患者さんの気持ちに寄り添う技術”
は、徳島の医療の質を大きく高める可能性を持っています。
だからこそ、優しく触れるケア技法をこのセンターの教育に組み込み、
長く徳島に根づく学びにしたいと考えています。
そこで今回のプロジェクトでは、
・カリキュラム作り
・教材(テキスト等)作り
・実習用資材(温熱用具、マッサージベッド等)の整備
・指導者育成
といった“教育基盤づくり”に取り組みます。
これらを整え、
徳島から「心に寄り添うケアができる看護師」を育てる仕組みをつくりたいと考えています。

このプロジェクトは、徳島に“安心と癒しのケア”を根付かせるための第一歩です。
今回のクラウドファンディングは、
触れるケアの技法の種をまき、育て、徳島の地に根づかせる――そのための教育体制の整備と教材準備を進めるプロジェクトです。
単発のイベントではなく、未来につながる“環境づくり”のための取り組みです。
これが実現すれば──
・病室で不安だった夜が少し楽になる
・認知症の混乱がやわらぎ穏やかな時間が増える
・在宅療養の孤独が軽くなる
・子どもが病院への恐怖を和らげられる
そんな「安心の場面」が、徳島に増えていきます。
そして、触れるケアは看護師自身の支えにもなります。
「何もできない」と思っていた時間が、
「そっと寄り添う」力を発揮できる時間に変わるからです。
これは、特別な人のためのケアではありません。
徳島に暮らすすべての方の未来に関わる取り組みです。
徳島の医療を、もっとやさしく、もっと安心できるものにするために。
この挑戦を通じて、その第一歩を踏み出します。

最後に:このケアは、誰かの不安を救うかもしれない。
やさしく触れるケア技法が徳島の医療に根づき、
患者さんの不安をやわらげる未来を、皆さまと一緒に育てていけたらと思っています。
このプロジェクトに共感いただけましたら、
応援していただけますと幸いです。

国立大学法人徳島大学への寄付と税制について
本プロジェクトへのご寄付は、徳島大学基金「教育・研究・社会貢献事業」への寄付として受入れ、支援に役立てます。徳島大学基金からの謝意としては、広報誌、教育・研究・社会貢献事業報告書をお送りさせていただいております。
国立大学法人徳島大学へのご寄付につきましては、個人からの寄付では所得税の所得控除、住民税(徳島県と県内市町村が条例で指定する寄付金として)の所得控除、法人からの寄付では法人税の損金算入が認められます。
寄付金領収書は本プロジェクト終了日である、2026年2月28日の日付けで発行いたします。税制上の優遇措置をお考えの方は対象となる年にご注意ください。
個人からのご寄付
国立大学法人徳島大学に寄付金を支出した場合は、所得控除制度が適用され、(総所得金額の40%を上限とした寄付金額)から2,000円を差し引いた額が課税所得から控除されます。
実際の税控除額は前記の控除額に各人の税率を乗じたものになります。
個人住民税については、(寄付金(総所得額の30%が限度)-2,000円)×10%が寄付控除額となります。
10%の内訳は、都道府県が指定した寄付金が4%、市町村が指定した寄付金が6%となっています。
確定申告期間に所轄税務署で確定申告手続きを行う必要があります。その際に、国立大学法人徳島大学が発行する『寄付金領収書』が必要になります。
住民税の控除適用のみを受けようとする方は、『寄附金領収書』を添えてお住まいの市町村へ「都道府県民税・市町村民税控除申告」を行ってください。
法人からのご寄付
法人からのご寄付につきましては、寄付金額全額が当該事業年度の損金に算入されます。
この寄付金による損金算入は、国立大学法人徳島大学が発行する『寄附金領収書』で手続きができます。
振込によるご寄附について
このプロジェクトはクレジットカード決済以外に銀行、郵便振込によるご寄附も受け付けています。
入金確認のための支援者様の振込名義などをお知らせいただく必要があります。銀行、郵便振込によるご寄付の場合は必ずご記入をお願いいたします。
≪手順≫
①リターンのコースを選択し、「寄附するボタン」を押してください。
金額を確認し、配送先住所の入力を終えると、振込で支援するかカードで決済するかを選択できます。
表示される画面に従い、次の事項を入力してください。
振込先、口座番号等は申し込みをいただいたのち、支援者様に自動返信メールにて連絡します。
・振込名義人のお名前
・金額
・寄附コースの名称
・領収書などの送付先住所、電話番号、メールアドレス
・お名前公表について(はい・いいえ)
②ご注意事項
・振込に際しては振込手数料のご負担をお願いいたします。
・カード決済でご利用できるのは、Visa、Mastercard、JCB、American Express
となっております。
挑戦者の自己紹介
岩佐幸恵
所属:徳島大学大学院医歯薬学研究部看護教育学分野/看護リカレント教育センター
役職:教授/副センター長
はじめまして。徳島大学で看護教育をしている岩佐幸恵です。
幼いころから体が丈夫ではなく、医療やケアのあり方に関心をもって育ちました。
過疎地で看護師・保健師として働いていた母の姿は、私に「医療は人の人生に寄り添う仕事」という価値観を教えてくれた原点です。やさしく触れるケア技法との出会いは、自らの心身が癒され、再び活力が満ちていくのを感じた経験でもありました。
学生と話す時間や、地域で働く看護師さんの学びを支えることが私の元気の源です。
趣味は映画鑑賞で、海外ドラマを見るのも大好きです。物語の世界に触れるひとときは、感性を磨ける大切な時間になっています。
意気込み:徳島の医療がもっと安心できるものになるよう、この挑戦を始めました。
石原 いづみさん
素晴らしい取り組みですね。
陰ながら応援させていただきます。