４１４年の幕を閉じた、地域の伝統行事「やねこじき」を復活させたい！

やねこじき プロジェクト

徳島県阿波市市場町に400余年伝わると言われる、歴史ある「やねこじき」を途絶えさせないために、地元の有志１2名でやねこじき・de・町おこしの会を立ち上げました。

近年市場町の町筋は衰退と共に、あらゆる行事が無くなり益々活気の無い地域となっています。子供達にとっての故郷を守るのは、大人の役割と考えて、小さな田舎町の伝統を守りながらこの地域を活性化し、「やねこじき」でもてなす国際観光立市 阿波市を実現するためにクラウドファンディングに挑戦したいと思いました。

自己紹介

初めまして、やねこじき・de・町おこしの会と申します。

私たちは、その昔蜂須賀の殿様を、農民たちが屋根の上に人形などを作りお迎えしたという「やねこじき 」の伝統を守りながら、地域の活性化をしたいと思っています。

市場町筋の町並みは閑散とし空き店舗やシャッターのおりた所も多くなっています。
営業中の店は、スーパー、洋品店、クリーニング店、米屋と電気店など数店舗あるのみとなっています。

庄屋様のお屋敷が老朽化はしているものの、昔の姿のまま残っています。

春は桜や芝桜、つつじ、秋にはもみじや公園の木々の紅葉等が綺麗な、ゆっくり、のんびりした地域です。

今年の4月にかつてのやねこじきの写真などを常設展示した資料館をオープンし、杮落としとして、若宮神社で行われていた「桜まつり」を子供中心のイベントとして復活しました。

現在は、10月に本番となる「やねこじき 」のイベントに向けて準備を進めています。

やねこじきとは？

慶長九年（1604年）、蜂須賀様は荒れ地開墾のため、「御判物」を出されました。

「御判物」とは、当時の藩主などが出す重要な文書のことで、年貢の減免などが行われました。慶長十年（1605年）には月に三日市を立てることを推し進め、商売に制限を設けず、酒の販売を許し、自国民、他国民を問わず、移り住むことを許されました。

19戸であった住民はたちまちに増加し、1673年には80戸にもなりました。

「御判物」は商売繁盛の神様として「若宮神社」で祀られ、各地方から集まった住民は、開墾し、市を立てました。

蜂須賀様が入国される前夜に、村人全戸が特典を与えて戴いた感謝の気持ちを厚く藩主に示そうとそれぞれ家にある材料を使って「山車」を作って屋根の上に飾り、藩主を歓迎したと言われています。

この「山車」が「やねこじき」と呼ばれるようになったのは、蜂須賀様が屋根の上に飾ってあるものを指差し「あれは何か」と庄屋に尋ねたところ、庄屋は恐縮して「まことに、やねこいもの」*1と答えたのを、聞き間違えて「あ～あ、やねこじきと申すものか。」と言われたことが今日の「やねこじき」の始まりであると言われています。

その後、市場町筋の商人はもちろん、農家の人も皆で、5月3日から3日間、商売繁盛の行事として開催されるようになりました。

*1 やねこい・・・阿波弁で軟弱とか根性が座っていないの意味で、人にも物にも使う。

私達は、江戸時代、荒れ地であったこの土地に、あちらこちらから移り住んだ村人が、蜂須賀様の「御判物」に助けられ、自分たちで開墾し市を開き、にぎわいのある市場町に発展させていった誇りや感謝の気持ち、おもてなしの心が強く地域に根付いていたため、414年の間この伝統が受け継がれてきたのではないかと考えています。

伝統行事の衰退

戦後、町筋には60軒もの商店が立ち並び、半数の店や農家の人たちまでもが参加し、商店主や町民の意識も高く、無償で行事を盛り上げていました。

近隣町の人たちが大勢で見に来てくれることを喜びとして続けていました。

家で売っているものや有り合わせのものを用いて人形や世相風刺的なものを作って、当日見物客を「あっ」と驚かすことも楽しみに作られていました。

世の中が豊かになって来てからは、電気仕掛けで動くようなものまで作られ、市場の町は大勢の見物客で賑わいを見せ大人も子供も唯一の楽しみとなっていました。

商店会や商工会も協賛し、市場の大きな行事として開催するようになっていました。

時代が進み鳴門池田線の道路が出来てからは、大型スーパーや警察署などが移転し町筋が裏通りになりました。

自家用車で買い物に出かけていくことが多くなり、次第に町筋の店舗も少なくなってきました。

平成4年には町おこしのため、「やねこじき」に「大名行列」も加わり、芸能人の殿様など趣向を凝らして平成25年まで続いてきたのですが、市や町の予算が無くなると同時に「やねこじき」のみの開催となりました。その後、町は商店が激減し数点だけの出展となり、賑わいは消えてしまい、平成30年で414年の幕を閉じたのです。

クラウドファンディングへの挑戦

市場町は町筋の衰退と共に、あらゆる行事がなくなり、益々活気のない地域となっています。やねこじきの行事が復活する事で、閉じ籠りがちな高齢者と町に訪れる若い人達も文化を通じた世代間交流ができると思います。

また市内外の誰もが参加できるイベントにして行くことで、広く人々の交流を図り、小さな田舎町の伝統文化を守りながら、地域の活性化につなげて行きたいと思っています。

私達は、町筋にある唯一のスーパーの２階のスペースに、やねこじきを紹介するための常設展をはじめました。

地元有志の12人で、今年の10月にやねこじきの伝統行事を復活させるための運営資金の一部をクラウドファンディングで募集し、同時にやねこじきに興味を持って頂きたいと思っています。

支援の使い道

かつての商店主たちが製作していましたが、少子高齢化などで店舗が減って作り手が少なくなってしまいました。その為、同時にマルシェなどのイベントを開催し集客を行いたいと考えています。

イベントの準備と当日の運営費などに充てるための資金として、80万円を目標としています。

皆様のご支援とイベントへの参加をお待ちしております。

挑戦者の自己紹介

宗石　圭子

所属：やねこじき・de・町おこしの会

役職：会長

私たちは、その昔蜂須賀の殿様を、農民たちが屋根の上に人形などを作りお迎えしたという「やねこじき 」の伝統を守りながら、地域の活性化をしたいと思っています。