夢をつなぐ、空への挑戦
はじめまして、徳島大学「鳥人間プロジェクト」新代表の 原田真慈(生物資源産業学部 2年) と申します。
私たちは、滋賀県彦根市の琵琶湖で行われる「鳥人間コンテスト」滑空機部門に挑戦している学生チームです。
2025年夏、私たちは「鳥人間コンテスト2025」に出場しました。大会の詳細や結果については9月3日のテレビ放送でご覧いただければと思いますが、その経験を胸に、すでに次の挑戦に向けて動き出しています。
来年2026年、私たちは新しい機体で再び鳥人間コンテストに挑みます。その第一歩として、このクラウドファンディングに挑戦します。

私が代表として挑む理由
高校時代、私は「パイロットになりたい」という夢を持ちながら、一方で生き物や食、命の循環に強い関心がありました。漫画『銀の匙』をきっかけに、「生きることとは何か」「命を扱う仕事をしてみたい」と思うようになり、農学系への進学も真剣に考えるようになりました。
同時に、怪我や体調不良、受験勉強で思うようにいかないことが重なり、学校に行けなくなる時期もありました。振り返ると「不運だったね」と言われることもありますが、私はむしろ、その経験が今の自分をつくる大切な時間だったと感じています。あの時期があったからこそ、今こうして仲間と挑戦できる幸せをより強く噛みしめることができています。
最終的に農学(生命系)の道を選び徳島大学に入学しましたが、そこで出会ったのが「鳥人間プロジェクト」でした。

1年生の頃から私は“翼持ち”という役割を担い、プラットホームで仲間と一緒に機体を空へ送り出してきました。機体の片翼を支え、仲間の想いを託して送り出す瞬間には大きな責任と緊張が伴います。
特に忘れられないのは、前代表でありパイロットの 中西彩歌さん を送り出した瞬間です。2年連続で翼を握り、仲間の声援を背に機体を押し出した時、目の前で大きな翼が空へ羽ばたいていく光景を見ました。自分の腕を通して仲間全員の想いが機体に伝わり、それが空へと解き放たれるような感覚――その鮮烈な体験が、今でも胸に刻まれています。
その瞬間、「次は自分が、このチームを背負わなければならない」と強く心に誓いました。
前代表の中西彩歌さんが代表兼パイロットとしてチームを背負い、地元の多くの方々から応援されながら仲間を導く姿を近くで見て、自分も同じように代表を引き継げるのかというプレッシャーを強く感じました。
しかし同じ学年の仲間たちが、自分の夢を語り、その夢に鳥人間プロジェクトを通じて挑戦する姿を目の当たりにしたとき、私自身も「このチームで本当にやりたいことは何か」と真剣に考えるようになりました。
その結果、私は目を輝かせて挑戦する仲間を支え、
一人では決して届かない憧れの空へ共に挑戦したい、そして先輩方から引き継がれた目標を必ず達成したい――。
そんな想いで代表を引き受けました。
今年の鳥人間コンテストでは、大きな経験を積むことができましたが、まだ道半ばです。来年はこれまでの悔しさを力に変え、風など自然の力を味方につけられる機体を製作し、次こそ目標を実現させたいと考えています。
そして、そのフライトを託すのが新しいパイロット 堂浦和花さん です。彼女が安心して飛び立ち、引き継がれてきた記録への挑戦を必ず成し遂げられるように――それが、私とチーム全員の願いです。

前代表兼パイロットの中西さん(左)新代表原田(中央)新パイロットの堂浦(右)
受け継いだバトンと歩んだ道
徳島大学鳥人間プロジェクトは2018年4月に創設され、2021年に鳥人間コンテスト滑空機部門に初出場。その後、2022年、2023年、2024年と4年連続で出場し、環境賞の受賞や飛行距離の更新を重ねてきました。
現在は約50名の仲間が集まり、それぞれの役割を担いながら機体づくりに励んでいます。飛距離の記録更新だけでなく、徳島の藍染やすだちを取り入れた機体づくりや、地域の子どもたちにものづくりの楽しさを伝える活動も続けています。

2024年11月3、4日あすたむらんど「サイエンスフェア」にてペーパーグライダー教室を開催
これまでに3回クラウドファンディングを実施し、多くのご支援をいただきました。おかげさまで機体を完成させ、大会に挑戦を続けることができました。2023年には初めて「機体お披露目会」を開催し、想像以上に多くの方々に足を運んでいただきました。また、2024年の大会にも出場し、県内外から60名を超える応援者が駆けつけてくださり、私たちの挑戦を大きな力で支えてくれました。

応援団の一員として、美粋遊さんに『阿波踊り』でフライトを盛り上げていただきました
前代表でパイロットを務めた中西彩歌さんは、今年の挑戦を振り返ってこう語っています。
「皆様の応援の声、気持ちがプラットホームまで届き、背中を押してもらえました。
プラットホームの付け根まで機体を運んだ瞬間、ここに帰ってこられて本当によかったと喜びを噛み締めるとともに、ご支援がなければ機体を完成させることはできなかったと実感しました。」
中西さんはいつも明るく元気で、まるでプレッシャーなど存在しないかのように笑顔で仲間を引っ張ってきました。その背中に励まされながら、私たち後輩は挑戦を重ねることができました。そして今、その想いを次の世代へとつなぐ番が私に回ってきたのです。

前代表・パイロットの中西さん(中央)
新しい機体で、さらに遠くへ
来年2026年の鳥人間コンテストでは、新しい機体で挑みます。
目標は今年の大会から引き継いだ飛行距離を達成すること。
長く、力強く滑空できること。
自然環境、特に風に対抗できる、つまり自然の風を活用できる機体をつくることです。
そのために、機体の「桁(けた)」と呼ばれる背骨のような部品を新しく製作する必要があります。桁は機体の安全性と性能を左右する極めて重要な部分であり、製作には高額の費用がかかります。
今回のクラウドファンディングでいただいたご支援は、この桁の製作をはじめとした新機体の設計・製作のために活用させていただきます。
私たちは学生であり、資金も経験もまだ十分ではありません。それでも仲間と力を合わせて試行錯誤を重ね、失敗と成功を積み重ねていく中で大きな学びを得ています。その過程で得られる経験は、将来社会に出てからも必ず活かせると信じています。

支援をお願いする理由
クラウドファンディングへの挑戦は今回で4回目です。これまで多くの方々に応援いただき、私たちは挑戦を続けることができました。特に昨年は、機体お披露目会や大会本番で、支援者の皆さまと直接顔を合わせて感謝を伝えることができ、応援の力の大きさを改めて実感しました。
鳥人間コンテストは、ただの競技ではありません。自分たちの手で飛行機を作り、仲間と共に力を合わせて空へ挑む。その過程で学ぶこと、感じることは、私たちの人生にとって大切な財産です。
私はこれまでの困難や悩みを「不幸」ではなく「自分を形づくった経験」として受け止めています。だからこそ、今こうして仲間と挑戦できることを幸せに思い、未来へつなげたいと願っています。どうか、この挑戦を理解していただき、応援の輪に加わっていただければ嬉しいです。

最後に
「空を飛ぶ」という単純で壮大な夢に向けて、私たちは汗を流し続けています。
私はこの挑戦を通じて仲間とともに成長し、未来の社会に貢献できる力を培いたいと考えています。
農学と飛行機――一見まったく違う分野のように見えるかもしれません。けれど私は、高校時代に進路を迷いながら農学を選び、そして大学で鳥人間プロジェクトに出会ったことで、このふたつの道が自分の中でつながっていると感じるようになりました。自然と向き合い、技術を駆使しながら未来を切り開くという点で、農学も飛行機も共通しているのです。
そして何より、困難を経ているからこそ、今こうして仲間と夢に向かって挑戦できることを、心から幸せに思っています。
鳥人間プロジェクトは、先輩から後輩へ、そして地域の方々から学生へとバトンをつなぎながら続いてきました。その流れを止めることなく、さらに遠くへ飛ぶために、どうか皆さまのお力をお貸しください。
皆さまからの温かいご支援を賜れましたら、チーム一同これ以上ない励みとなります。
心よりお願い申し上げます。

国立大学法人徳島大学への寄付と税制について
本プロジェクトへのご寄付は、徳島大学基金「教育・研究・社会貢献事業」への寄付として受入れ、支援に役立てます。徳島大学基金からの謝意としては、広報誌、教育・研究・社会貢献事業報告書をお送りさせていただいております。
国立大学法人徳島大学へのご寄付につきましては、個人からの寄付では所得税の所得控除、住民税(徳島県と県内市町村が条例で指定する寄付金として)の所得控除、法人からの寄付では法人税の損金算入が認められます。
寄付金領収書は本プロジェクト終了日である、2025年11月30日の日付けで発行いたします。税制上の優遇措置をお考えの方は対象となる年にご注意ください。
個人からのご寄付
国立大学法人徳島大学に寄付金を支出した場合は、所得控除制度が適用され、(総所得金額の40%を上限とした寄付金額)から2,000円を差し引いた額が課税所得から控除されます。
実際の税控除額は前記の控除額に各人の税率を乗じたものになります。
個人住民税については、(寄付金(総所得額の30%が限度)-2,000円)×10%が寄付控除額となります。
10%の内訳は、都道府県が指定した寄付金が4%、市町村が指定した寄付金が6%となっています。
確定申告期間に所轄税務署で確定申告手続きを行う必要があります。その際に、国立大学法人徳島大学が発行する『寄付金領収書』が必要になります。
住民税の控除適用のみを受けようとする方は、『寄附金領収書』を添えてお住まいの市町村へ「都道府県民税・市町村民税控除申告」を行ってください。
法人からのご寄付
法人からのご寄付につきましては、寄付金額全額が当該事業年度の損金に算入されます。
この寄付金による損金算入は、国立大学法人徳島大学が発行する『寄附金領収書』で手続きができます。
振込によるご寄附について
このプロジェクトはクレジットカード決済以外に銀行、郵便振込によるご寄附も受け付けています。
入金確認のための支援者様の振込名義などをお知らせいただく必要があります。銀行、郵便振込によるご寄付の場合は必ずご記入をお願いいたします。
≪手順≫
①リターンのコースを選択し、「寄附するボタン」を押してください。
金額を確認し、配送先住所の入力を終えると、振込で支援するかカードで決済するかを選択できます。
表示される画面に従い、次の事項を入力してください。
振込先、口座番号等は申し込みをいただいたのち、支援者様に自動返信メールにて連絡します。
・振込名義人のお名前
・金額
・寄附コースの名称
・領収書などの送付先住所、電話番号、メールアドレス
・お名前公表について(はい・いいえ)
②ご注意事項
・振込に際しては振込手数料のご負担をお願いいたします。
・カード決済でご利用できるのは、Visa、Mastercard、JCB、American Express
となっております。
挑戦者の自己紹介
原田 真慈
所属:徳島大学鳥人間プロジェクト
役職:代表
徳島大学生物資源産業学部2年の原田真慈と申します。
2025年9月より徳島大学鳥人間プロジェクトの代表を務めています。神戸市出身で、小、中、高と野球をしていました。
高校時代は数学・物理を得意としていましたが、大学では未履修であった生物学を基礎から学び、・生命科学・食品・微生物・有機化学など履修可能な授業を全て受講し、1番前の席にいます(笑)。勉強が楽しく、この夏はPythonを用いた生物情報解析にも挑戦中です。
学業と並行して居酒屋や塾講師のアルバイトも行い、徳島での学生生活を楽しんでいます。
憧れであった空を本気で目指し、今年度は代表として仲間とともに挑戦を続けていきます。
今年の悔しい思いを自分の代では、風などの自然の力に味方につけられる飛行機を製作し、記録更新、リベンジを果たしたいと思います。
とくトリのファンさん
大会当日、現地で応援させていただきました。
仲間や応援してくださった方々の思い、そして夢をのせて琵琶湖へ飛び立つ機体を目の当たりにし、胸が熱くなるほど感動しました。
これからも応援しています。
来年もチーム一丸となって、最高のフライトを見せてくださいね。
P.S. 晴輝、ぼちぼち頑張りやぁ