皆様、はじめまして。このクラウドファンディングに挑戦する麻野貴裕と申します。
私は、徳島県山川町で生まれ育った、代々続く老舗人形屋の4代目です。
物心ついた頃から、地元の川田八幡神社秋季例大祭には、屋台の乗り子として、また担ぎ手として深く関わってまいりました。

コロナ禍を経験し、一時は祭りの継続すら危ぶまれましたが、地域の皆様と共に何とか開催にこぎつける中で、「この素晴らしい伝統を、ただ守るだけでなく、もっと良い形で未来へ繋いでいきたい」という思いが日に日に強くなりました。このプロジェクトは、そのための私たちの大きな挑戦の第一歩です。
江戸時代から続く川田八幡神社秋季例大祭。担い手不足、屋台老朽化…数々の困難を乗り越え、感動と誇りを次世代へ。私たちと一緒に、この挑戦の仲間になってください!

山川町の魂を消さないために!
徳島県吉野川市山川町で、数百年にわたり大切に受け継がれてきた川田八幡神社秋季例大祭。この祭りは、単なる年中行事ではありません。それは、「毎年の五穀豊穣を願い江戸の時代から今日まで、人々の手によって絶えることなく受け継がれてきた」、地域の人々の祈りと感謝、そして生活そのものが息づく神聖な伝統です。
この祭りは、地域社会の絆を深め、世代から世代へと大切な価値観を伝えてきました。町内会、世代と世代、心と心を結ぶこの祭りは、ただの行事ではなく、まさに地元山川町の魂そのものです。祭りを失うことは、山川町のアイデンティティの一部を失うことに等しいのです。

しかし今、このかけがえのない伝統が、静かに、しかし確実に消滅の危機に瀕しています。100年に渡り地域で受け継がれてきた秋祭りが今、存続の危機を迎えています。この厳しい現実は、私たちの心に重くのしかかっています。
この危機は、一つの原因によるものではありません。
コロナ禍における団体行動の根本的な見直しが世界的に行われたこと、少子高齢化による担い手不足、若い世代の地域行事離れなど様々な事柄があげられます。
特に、少子高齢化は祭りの直接的な担い手を減少させ、その活力を削いでいます。若い世代が地域の行事から離れていく傾向も、この流れを加速させています。新型コロナウイルスの影響は、こうした既に存在していた脆弱性に追い打ちをかけ、集団での活動のあり方そのものを見直さざるを得ない状況を生み出しました。
これらの脅威は互いに関連し合っています。例えば少子高齢化が担い手不足を深刻化させ、それが祭りの魅力や規模の縮小につながり、結果として若い世代の関心をさらに薄れさせるという負の連鎖を生み出しかねません。この祭りの危機は、現代社会が抱える変化の中で、地域文化がいかに脆く、失われやすいものであるかを示しています。
伝統を守り、未来を切り拓く決意
改めまして、麻野貴裕です。山川町で生を受け、老舗人形屋の4代目として、そして一人の町民として、この地で育ちました。幼い頃から祭りに参加し、その熱気と感動を肌で感じてきた私にとって、この祭りは人生の一部です。

一時は、祭りの継続自体が危ぶまれました。しかし、地域の伝統を守りたい一心で、直近2年間は何とか開催にこぎつけました。その経験を通じて、ただ続けるだけでなく、この素晴らしい伝統をさらに輝かせ、未来へと繋いでいくために、継続的に続けられる仕組みにしていかなければならないと感じました。
代々続く人形屋の当主として伝統工芸の維持に関わってきた経験は、この祭りを未来に守り伝えていくという使命感にも繋がっています。このクラウドファンディングは、そのための新たな挑戦の第一歩なのです。
川田八幡神社秋季例大祭
川田八幡神社秋季例大祭は、その歴史の深さだけでなく、地域社会における役割の大きさにおいても、他に類を見ない祭りです。地域の小学校はお祭り当日休校になります。仕事をしている企業もできる限り協力をしてくれます。地域一体となって開催されるお祭りは大変珍しく、是非体感してもらいたいです。
子供たちは祭りの担い手として、あるいは観客として目を輝かせ、大人たちは仕事の合間を縫って準備や運営に汗を流します。このような地域ぐるみの参加は、山川町の強い結束力の象徴と言えるでしょう。
祭りの目玉である「暴れ屋台」では、屋台を担いで境内までの急な石段を駆け上がります。しかし、この勇壮な光景も担ぎ手がいなくなってしまっては、見られなくなるかもしれません。祭りが単に縮小するのではなく、その最も象徴的な部分を失い、ひいては祭りそのものが消滅してしまうかもしれないという現実的な恐怖を私たちに突きつけています。

なぜ私たちの祭りが、今あなたの助けを必要としているのか。
1: 屋台の老朽化は一番深刻な問題です。
祭りの華やかさを支える屋台そのものが限界を迎えています。
改修されてから、はや20年は経とうとしており、もうとっくに改修しなくてはなりません。美しい彫刻や装飾が施された屋台も、風雨にさらされ、年月の重みに耐えかねています。安全な運行のためにも、そして祭りの威厳を保つためにも、修繕は待ったなしの状況です。この屋台の改修に65万円の費用がかかります。
2: 各自治会から集まる資金が年々少なくなっている。
祭りを支える資金の基盤が揺らいでいます。
引っ越し・行事への不参加・高齢化による世帯主の死亡などが原因となり、地域の人口減少や高齢化は、伝統的な資金調達方法の限界を露呈させています。祭りを愛する気持ちは変わらなくても、それを支える経済的な力が弱まっているのです。
3: 祭りに参加する担ぎ手の減少。
何よりも、祭りの主役である「人」が足りません。
若者の都市部への流出、働き方の変化、そして祭りの日程が固定されていないことによる参加の難しさなど、理由は様々です。
特に、祭りのハイライトである屋台の運行や神輿の渡御には多くの屈強な担ぎ手が必要ですが、その確保が年々困難になっています。
私たちが目指すのは、この困難な状況に立ち向かい、単に祭りを現状維持するのではなく、未来に向けて持続可能な形で発展させ、その魅力をより多くの人々と分かち合うことだと考えています。
目標金額150万円で、私たちの祭りに新たな命を!
皆様からの温かいご支援は、川田八幡神社秋季例大祭の未来を照らす大きな力となります。目標金額は150万円です 。
このプロジェクトでは、主に以下の目的のために支援金を活用します。
- 老朽化が進む屋台の修繕(4年計画で段階的に進めます)
- 法被の新調
- 祭りの運営経費(警備、設営、消耗品等)
- 記念品の制作(参加者・観覧者向け)
- 広報活動やクラウドファンディング経費
私達だけで祭りを続けるには、限界が近づいています。
「自分の代で、この祭りを終わらせたくない。」
そんな思いで、今回のクラウドファンディングを立ち上げました。
見るだけではなく、関わることもできる祭りとして、観覧だけでなく参加型のリターンも用意しています。
県外・海外からの参加も歓迎します。祭りの魅力を発信し、一緒に伝統を守ってくれる仲間を集めたいです。金銭的なご支援はもちろんのこと、この祭りの価値に共感し、その魅力を広め、いつか山川町を訪れてくださる、そんな「仲間」を心から求めています。

みなさんへお願い
私はこの祭りの運営を、誰でも引き継げるようなマニュアル化にも取り組んでいます。属人的な知識や慣習に頼らず、未来の世代が安心して担えるような「持続可能な伝統文化」として再構築したいのです。
100年以上続いたこの伝統を、私たちの手で絶やしてしまっていいのでしょうか?どうか、この祭りの存続に力を貸してください。
一緒に、地域の宝を未来に届ける「仲間」になって、山川町に足を運んでいただきたいです。そして、私たちの挑戦を、一緒に体験してください。
ご支援、心よりお待ちしております。

挑戦者の自己紹介
麻野貴裕
所属:忠義堂人形店
2009年 帝京大学 経済学部 経済学科 入学
2013年 同大学 卒業
2013年 4月 大手航空会社のグループ会社へ就職
2020年 3月 同社退社
2020年 5月 家業の後を継ぐ
2025年 現在に至る
とくしま応援隊山川班さん
今年、はじめてこのお祭りを見て感動しました。ずっと続いて欲しいお祭りです、応援してます。