意思表示する子供たち
このコーダー道場では、他のプログラミング教室に比べると、丁寧な指導はしていません。
しかし、通っている子供たちは、積極的に大人に声をかけてくれますし、保護者も含め、高評価をいただいています。
講義形式の授業で、受身に学ぶことに慣れた子供たちには、コーダー道場の自由に学んで発表するスタイルが受け入れられているようです。
「先生、作ってきたプログラム発表させて!」
「先生、今の説明少し戻って!」
「もっと難しいのはないの?」
子供たちからこういう声を聞くたび、徳島の未来は明るいと感じます。
現在、私は月に1〜2回、無償でプログラミングが学べるコーダー道場を開催しています。
今回、このコーダー道場を県内各所で開催するための機材や指導者の育成にかかる運営資金を募るために、クラウドファンディングに挑戦したいと思います。
コーダー道場を開くまで
はじめまして。徳島大学 情報センター・大学院理工学部 助教の谷岡と申します。
普段は、大学でICTサービスの運営に携わる傍ら、情報の授業を受け持っています。
将来、サッカー日本代表にデータ分析官として召集されることを夢見ながら、ICTサービスの管理、学生の指導、機械学習の研究なども行なっています。
小学生の頃は、あまり上手とはいえませんでしたが、サッカー少年でした。だから今もサッカーのデータ分析などもやってるんですね。
それとは別に、当時大流行していたプラモデルを買いに行って出会ったゲルマニウムラジオのキットを組み立てたりもしました。
その流れで、アマチュア無線の勉強をして資格を取ってみたりもしました。
そんな少年時代を過ごしていましたが、あるとき、ようやく手の届く価格で出回り始めたMSXパソコンを買ってもらうことに成功しました。
カートリッジを買ってもらえばゲームが遊べたのですが、なかなか買ってもらうことができなかったため、自分でゲームを作ろうとプログラミングを始めました。
中学生になってから、プログラミングには興味をなくしていましたが、大学に進学し、電気電子工学の勉強をしていたころ、再びプログラミングに出会うことになります。
大学を卒業する頃、プログラミングにも自信がついていた私に、「徳島にジャストシステムって会社があるの知ってる?」と聞かれ、地元が「徳島出身だから」という理由でジャストシステムを受け、入社しました。
その後、プログラミングからプロジェクトマネージメント、開発研修の講師などいろいろ経験したのち、東京に本社のある会社へ転職し、さらにいろいろな経験を積むことになります。
子供向けプログラミング教室
東京で会社勤めをしていたころ、知り合いから「子供向けのプログラミング塾を始めるので手伝わないか?」というお誘いを受けました。
研修講師なども経験しており、プログラミング教育には関心もあったので、お手伝いをすることになりました。
その当時2011年は、大人のプログラミング教室はあっても、子供向けのものは非常に珍しかったと思います。
最初の頃は、新宿駅前の好立地であっても、人数も少なく参加の状況も、日によってまちまちでした。
天気の悪い日は、参加者が1人ということもありました。
それでも続けていくうちに、だんだんと人数が増えていきました。
しかしそうなると、別の問題が発生します。
子供がたくさん集まれば集まるほど、盛り上がってしまい、騒いでしまうのです。
当時、借りていた教室は、大人向けの資格やパソコンのスクールだったので、とうとう追い出されてしまいました。
徳島でプログラミング教室を
東京では、パソコンスクールを手伝いながら、プログラマーやマネージャーとして仕事していましたが、自身の子供の進学などの家庭の事情により、徳島へ帰ることになりました。
そのころタイミングよく募集のあった徳島大学のポストに就くことができ、現在に至ります。
徳島大学でプログラミング教育を始めたきかっけは、昨年、徳島県の事業「まなびーあ徳島」という事業に採択されたことです。
徳島大学、県南部、県西部の県内3箇所でプログラミング教室を開催し、好評をいただきました。
そこで、継続的にプログラミング教室を開催するとなると、どのような形があるか検討してみました。
そのとき、コーダー道場という形で運営したらどうか?というアドバイスを知人から受けました。
確かに、大学教員の立場で開催するなら、非営利団体であるコーダー道場がよいと考え、昨年12月より毎月開催することにしました。
コーダー道場の内容
子供たちの様子
小学校1年生から高校生まで参加することがありますので、課題によっては難易度が高い場合もあります。
「難しい!」と言いながらも、「もっとやりたい!」と言ってくれる子が大半です。
よく話を聞いてくれているこもいれば、ぜんぜん話を聞いていないような子もいますが、プログラムを見せてもらうと、実はちゃんと聞いていて黙々と作っている子もいたりします。
中には、「もっと難しいことがしたい」という子がいたり、「発表がしたい!」と自ら名乗り出る子もいます。
コーダー道場に参加している子供たちの多くは、自分の作った作品を見てもらいたくて仕方がない様子です。
後片付けを手伝ってくれている事務職員を捕まえて、ニコニコしながら「見て見て!」と話しかけることもしばしば。
一人が言いだすと隣の子も「こっちも見て!」と言ってきたりします。
中には、「これはどういうプログラムか知ってる?」と言って、説明しだす子供もいます。
あとで迎えに来る保護者に見せるため、作った作品を「まだ消さないで」と言うこともあります。
プログラミングには、どれが正解とか、優れているとか、一概にはいえないので、ギスギスした競争になりにくいようで、そこが積極性を育むきっかけになっているのかもしれません。
また、コーダー道場は基本的に何をしていても叱られることはなく、自由に発言、発表しても受け入れられる空気があります。
逆に、プログラミングでつまずいたとき、黙っていると何も解決できないので、周りにいる大人の人や隣の子に話しかけて問題解決しようとします。
自ら質問できることも、大事なコミュニケーション能力だと思うので、コーダー道場を通じて学んで欲しいと思います。
プログラミングは、受け身では上達しません。書いてみる、やってみる、自分で調べる、どうしてもわからなかったら聞くなど、能動的な姿勢が肝心です。
トライ&エラーを繰り返す子供たち
コーダー道場では、講義形式ではなく、簡単な課題を与えて自由に取り組んでもらうという形式で行っています。
最初のとっかかりだけ、基本的なことを丁寧に教えます。
しかし、その子にとっては難しかったり、聞こえなかったりして、子供たちはつまずきます。
そんなときも、悩みながら、自分で試行錯誤したり、保護者やメンターといっしょに考えたりして、課題解決にあたります。
このような、挑戦、失敗、解決を経て得られる喜びの体験は、プログラミングのみならず、人生において大きな糧になると思います。
私は、過去に経験した職業柄、プログラミングに挫折する多くの人を見てきましたが、多くの人は「課題の解決方法がわからない」「プログラミングに向いてない」という思考になってしまっているようです。
プログラミングだけに限ったことではありませんが、解決できない問題に遭遇したとき、その問題にどう向き合っていくか、引き出しが多いほど、問題が解決する可能性が高いのだと思いました。
コーダー道場の子供たちは、私が意図的に教えないことや、年齢のかけ離れた子供に実力差を見せつけられることで、他のプログラミング教室の子供たちよりも多くのつまづきや挫折を味わうでしょう。
しかし、みんな途中であきらめることはありません。少しずつでも目標を達成できることを経験していっているからです。
お母さんから質問が飛んでくる
保護者も子供と一緒に参加できますので、隣に座って親子で同じ課題に取り組んでもらうこともできます。
大人の方が熱中することもあるようで、お母さんからわからないところの質問が飛んでくることもあります。
小さいお子さんの場合は、読めない文字や入力できない文字もありますので、いっしょに取り組んでいただくのもよいと思います。
コーダー道場では、丁寧に説明しているつもりですが、参加者からは難しいといった声も聞こえてきます。
しかし、開催後のアンケートでは、9割以上の子供、保護者が5段階で最高の評価をつけてくれて、「次回も参加したい」にもチェックをつけてくれます。
最近は、今後の参考のために不満に思うことも書いてもらうようにしていますが、パソコンの不調や入力操作の難しさといった回答が多く、あまり不満が聞こえてこない状況です。
徳島県内各所で、コーダー道場を開きたい!
コーダー道場はアイルランドで始まって、今、世界中に広がっているプログラミングの道場です。
その理念の一つとして、自主性を持って学ぶことを大切にしており、コーダー道場徳島でも、講義形式のプログラミング教室ではありません。
コーダー道場徳島は、企業でのプログラミング研修、民間のプログラミング教室、大学生向けのプログラミング実習などの経験を生かしながら、子供たちが自主的に学べる環境を提供したいと思います。
また、こういう場をどんどん増やしていきたいのです。
昨年、まなびーあ徳島の事業で美波町で実施したプログラミング教室に参加した保護者の方からも、
「徳島大学まで参加しにいくのは難しい。南の方で開催するときはまた教えて!」と言っていただきました。
このような声にも応えるためにも、企業、教育現場、団体、個人の方など、協力者を募りながら徳島県内に広め、多くの子供たちがプログラミングを学びながら積極的になれる環境を増やしていきたいと思います。
共感していただけましたら、ぜひこの活動に支援をお願いします!
徳島大学への寄付と税制について
- 国立大学法人徳島大学へのご寄付につきましては、個人からの寄付では所得税の所得控除、住民税(徳島県と県内市町村が条例で指定する寄付金として)の所得控除、法人からの寄付では法人税の損金算入が認められます。
- 個人からのご寄付
徳島大学に寄付金を支出した場合は、所得控除制度が適用され、(総所得金額の40%を上限とした寄付金額)から2,000円を差し引いた額が課税所得から控除されます。
実際の税控除額は前記の控除額に各人の税率を乗じたものになります。
個人住民税については、(寄付金(総所得額の30%が限度)-2,000円)×10%が寄付控除額となります。
10%の内訳は、都道府県が指定した寄付金が4%、市町村が指定した寄付金が6%となっています。
ご寄付された翌年の確定申告期間に所轄税務署で確定申告手続きを行う必要があります。その際に、徳島大学が発行する『寄付金領収書』が必要になります。
住民税の控除適用のみを受けようとする方は、『寄付金領収書』を添えてお住まいの市町村へ「都道府県民税・市町村民税控除申告」を行ってください。
- 法人からのご寄付
法人からのご寄付につきましては、寄付金額全額が当該事業年度の損金に算入されます。
この寄付金による損金算入は、徳島大学が発行する『寄付金領収書』で手続きができます。
振込によるご寄附について
このプロジェクトはクレジットカード決済以外に銀行、郵便振込によるご寄附も受け付けています。
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郵便振込用紙によるご寄附の場合は、こちらをご覧ください。
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金額を確認し、配送先住所の入力を終えると、振込で支援するかカードで決済するかを選択できます。
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振込先、口座番号等は申し込みをいただいたのち、支援者様に自動返信メールにて連絡します。
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・寄附コースの名称
・領収書などの送付先住所、電話番号、メールアドレス
②ご注意事項
・振込に際しては振込手数料のご負担をお願いいたします。
・カード決済でご利用できるのは、VISA・MASTERのみとなっております。
挑戦者の自己紹介
谷岡 広樹
所属:徳島大学 情報センター
役職:助教
徳島でより多くの子供たちにプログラミングを学んでもらいたいと思い、コーダー道場を開くことにしました。
サッカー日本代表にデータ分析官として召集されることを夢見ながら、ICTサービスの管理、学生の指導、機械学習の研究なども行なっています。
mastojoさん
谷岡先生 どうかがんばってください。