獣医師として徳島県動物愛護管理センターで勤務している薮内と申します。
徳島県動物愛護管理センターには様々な理由で犬や猫が収容されています。「犬・猫の殺処分数」を削減するためには、まず当センターに収容される犬・猫の頭数を減らさなければいけません。
当センターに収容される犬・猫の中でも飼い主のいない子犬・子猫の収容は、全収容数の6割以上を占めています。
この子犬・子猫の収容を減らすためには、県民への避妊去勢手術を含めた適正飼育、不適切な餌やりや遺棄の防止に対する普及啓発が必要不可欠です。
また、当センターに収容された子犬・子猫が一匹でも譲渡されることは、「犬・猫の殺処分数」の削減になります。そこで、幼齢な子犬・子猫をご家庭で一時預かりしていただく「ミルクボランティア」を通じて、生後間もない状態で収容される犬・猫のケアを行う体制を強化し、幼若動物の死亡率の減少を図った後、新しい飼い主への譲渡に繋げたいと考えています。
不幸な命を減らすため、幼い犬・猫を救うミルクボランティア補助事業
当事業は、犬・猫の殺処分頭数削減を目指すため、センターへ収容される犬・猫のうち、生後間もない状態で収容された犬・猫のケアを行う体制を強化する事業です。
徳島県動物愛護管理センターには、毎年多くの犬や猫が収容されます。
その収容数は、昨年度だけで786頭。
その中でも、昨年度は、子犬・子猫合わせて約500頭が収容され、その割合は全収容数の6割以上を占めており、特に猫については、8割以上が子猫です。
その子犬や子猫の大半は、遺棄行為や、無責任な餌やり行為による野良犬や野良猫の継続的な繁殖によるものです。
徳島県は温暖で自然が多く、越冬しやすい環境から、一定の地域では、野良犬の棲息が多く見られます。
これは、元々は人間の身勝手な理由により遺棄された動物たちが、無責任な餌やり行為により、繁殖を繰り返してるためです。
人間の居住区において野良犬が増えることにより、農作物の被害、野良犬に追いかけられる、野良犬がいて危険等による苦情相談も多く寄せられます。
犬は狂犬病予防法により捕獲対象動物として捕獲しますが、餌でおびき寄せ捕獲を試みるも無責任な餌やり行為によりお腹がみたされた犬は捕獲が難しく、結果として野良犬の増加につながってしまいます。
一方、猫はとても繁殖力が強く1年に2~4回、1回に4~8頭出産すると言われています。
1頭のメス猫が1年間で20頭近く出産することもあります。
人間が繁殖をコントロールしなければ、どんどん増えていきます。
結果として、遺棄や無責任な餌やり行為による近隣トラブルに発展します。
センターにも、糞尿被害や車を傷つけられる、野良猫が生まれているといった苦情が一年を通して多く寄せられます。
目の前にいる犬や猫が可哀想という理由から、避妊去勢手術ができていない野良犬や野良猫に対して餌付けをしてしまうと、結果として、栄養状態が良くなった母犬・母猫はたくさんの子を産みます。
飼い主のいない犬や猫たちは、人間の保護の手が行き届かない厳しい環境で生活し、動物同士の喧嘩による怪我、交通事故、病気や感染症に罹患するリスクも非常に高くなります。
果たして、そのような状態の動物たちは幸せだといえるでしょうか。
自分たちが無責任に餌付けすることで、不幸な飼い主のいない犬や猫を増やしてしまっているということを自覚していただき、処分となる子犬や子猫を増やしてしまわないように御理解いただきたいと思っています。
このようなクラウドファンディングをすることにより、一人でも多くの人に、遺棄行為や、無責任な餌付けにより生じている現状を知っていただきたいと思っています。
特に生後間もない状態で収容された犬や猫は、3~5時間おきの授乳や排泄の補助等の世話が必要ですが、動物愛護管理センターでは、夜間の対応が難しく、このような子犬・子猫の世話ができません。また、子犬や子猫を人工哺乳で育てることは、風邪や下痢、その他の感染症などに罹患することも多いため、より一層の体重管理や健康管理なども必要とされます。無責任な餌付けや、遺棄により生まれた不幸な子犬や子猫、この小さな命を可能な限り救い、さらなる譲渡推進と殺処分数の減少を目指したいと思っています。
ミルクボランティアの活動
徳島県動物愛護管理センターでは、収容された幼齢な子犬・子猫をご家庭で一時預かりしていただける「ミルクボランティア」を募集しています。
預かっていただいた犬・猫は、不妊去勢手術ができるような月齢になったら、センターにお返しいただき、新しい飼い主へ譲渡します。
ミルクボランティアにご協力いただける方については、センターから必要な物(ミルク、哺乳瓶、ペットシーツ、ケージなど)を貸し出します。
ミルクボランティアにご興味やご関心がありましたら、是非センターまでお問い合わせいただけると幸いです。
預かっていただく子犬・子猫について
センターに収容される授乳期(生後1週齢~2ヶ月齢程度)の子犬・子猫です。
社会化推進のため、飼育環境に応じて、一度に預かっていただく頭数は、複数頭での保管も可能です。
自力で固形フードが食べることができる、概ね2ヶ月齢になるまでお預かりいただきます。
必要なお世話として、3~5時間おきの授乳(月齢に応じて異なります)、排泄の補助(ウェットティッシュでおしりを刺激)や健康観察、社会化のためのふれあい遊び等となります。
離乳し、譲渡可能な大きさまで育成した後、動物愛護管理センターにおける「飼い主をさがす会・譲渡会」で、新たな飼い主探しを行います。
クラウドファンディングへのご協力のお願い
不幸な命を減らすため、幼い犬・猫を救うミルクボランティア補助事業の取組みに共感いただける方からご支援をいただければと思っております。
一匹でも多くの幼き動物の命を、殺処分することなく、素敵な飼い主さんに繋いでいくための「命のバトン活動」にどうかご支援の程、よろしくお願いします。
今後の取り組みについて
センターに収容される不幸な犬・猫の命を減らすため、不妊去勢手術の推進を含むみだりな繁殖の防止、終生飼養をはじめとする動物の適正飼養に係わる飼い主責任の徹底、飼い主のいない犬や猫への無責任な餌付け行為による徳島県の現状について、啓発活動をさらに推進することを考えています。
また、本県では、人に適切に管理されない不幸な犬・猫の命を減らすことを目的として、次世代を担う学生及び児童を対象に、動物たちとの適切な関わり方について学ぶ、訪問形式の情操教育の推進を行っております。
税金の控除について
本プロジェクトに対する寄付金は、個人様によるご寄付の場合は自治体への寄付として個人住民税などの控除の対象となります。
寄付金のうち2,000円を超える部分について翌年度の住民税等の控除が行われます。
※寄付する人の自治体への寄付の総額や収入、家族構成に応じて控除額は変わります。
※控除額の計算方式はふるさと納税と同じです。
また、法人様によるご寄付の場合は、自治体への寄付として全額を損金算入することが出来ます。
いずれの場合も控除の手続きには徳島県が発行する領収証が必要となります。
本プロジェクトに寄付をしていただいた方には、徳島県から寄付の受領書をお送り致します。
挑戦者の自己紹介
薮内 園子
所属:徳島県動物愛護管理センター
役職:主任
徳島県動物愛護管理センターの薮内と申します。
当センター職員一同、一つ一つの「命」と向き合いながら仕事をしています。大切な「命」を扱う業務なので、多くの方から様々なご意見等を伺います。
徳島県の犬や猫の現状や当センターの業務内容について、より深くご理解頂けると幸いです。
ふーみんさん
芳名録への掲載希望なし。
ミルクボランティア活動、
応援しています。
がんばってください。