徳島県動物愛護管理センターで獣医師として勤務しております須見と申します。
当センターの譲渡活動についてご紹介いたします。
当センターには様々な理由で犬や猫が収容されます。
収容された犬や猫は性格や特徴を把握し、必要に応じてウイルス、細菌、寄生虫などの感染症チェックを行った上で、責任を持って最期まで飼っていただける方に適正譲渡しています。
意図しない繁殖を防ぎ、不幸な命が新しく生まれることを予防するため、また生殖器系の疾患の発生を抑えるために、不妊・去勢手術を実施した上で新しい飼い主さんに譲渡しています(一般譲渡は当センターで実施し、団体ボランティアを介する譲渡はボランティア団体で実施します)。
私は小学生の頃、ハムスターを飼っていました。
とても小さかったですが、さわると温かく、かわいかったのを覚えています。
動物を飼うということは、日々のお世話をし、最期を看取ることです。
それは楽しいことばかりではないかもしれませんが、私たちにかけがえのない思い出を与えてくれる存在だと思っています。
この活動を通して、動物たちも新しい飼い主さんも共に幸せになることを願っております。
そのような幸せのためのサポートこそが、人と動物の共生を目指す上での私たちの役割だと考えています。
これまでのプロジェクトの歩み
昨年実施したクラウドファンディングでは、皆様の応援のおかげで1,342,000円のご寄付をいただきました。本当にありがとうございます。
【令和5年度のクラウドファンディングによる実績】
支援者数:87人
総支援額:1,342,000円
皆様のご支援と、当県の動物愛護および管理行政に日頃から深く関わってくださっているボランティアの皆さんのおかげで、令和5年度の新しい飼い主さんへの犬・猫譲渡合計数は375頭となりました。
そして、令和5年度の本県から他県への県をまたぐ犬・猫の譲渡数は89頭となり、この数字は令和5年度の犬・猫譲渡合計数の約4分の1に近い数字となり、県外への譲渡が譲渡活動の推進を図る上で有効な手段の一つとして定着しつつあると感じています。
県外への譲渡も含めた譲渡活動の推進により、令和5年度は助けられる命の犬・猫殺処分数ゼロを3年連続達成することができました。
今年度も1頭でも多くの助けられる命を新しい飼い主さんに繋ぎ続けていくための「命のバトン活動」に引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。
【命のバトン活動事業概要】
徳島県では、人間に捨てられ、徳島県動物愛護管理センターにやってくる不幸な動物たちが毎年たくさんいます。やってくる動物の中には、繁殖管理が行われず産まれてしまったがために人間に無責任に捨てられた動物たちも含まれます。その収容数は昨年度だけで786頭、その中で昨年度、殺処分となった犬・猫の数は296頭です。私たちは、こうした不幸な動物たちを減らしたいと考えております。
そのために、私たちはセンターに収容される犬や猫を減らすため、公益社団法人徳島県獣医師会および動物愛護ボランティアの方々と連携し、収容された犬や猫の命を繋ぐ譲渡活動を行っています。県内での譲渡できる数は頭打ちとなってきておりますが、県外からは譲渡できる犬や猫はいないかとの問い合わせを多くいただきます。そこで、徳島県では動物たちが不幸になることなく、センターから新しい飼い主さんの元へ向かうための譲渡活動、特に県外譲渡活動をさらに推進していきたいと考えています。
その活動を推進する上で、県外への動物の輸送費用が大きな問題となります。こうした輸送費を含む譲渡費用をセンターおよびセンター譲渡活動に協力いただいているボランティアの方々のみで全額負担することはとても無理です。これまでもボランティアさんに輸送費用を負担していただいて譲渡したことはありますが、毎回負担いただくことはできませんので、県外譲渡の場合は譲渡先が限られてしまうという課題がありました。
このような経済的な課題を解決し、センターからやってくる新しい家族(犬・猫)を楽しみにしてくださっている遠方の新しい飼い主さんのもとに無事に送り届けるための支援を募るために、クラウドファンディングに継続して挑戦しています。助けられる犬・猫の殺処分をゼロにするための取り組みに共感していただける方々のご支援を心よりお願い申し上げます。
一匹でも多くの動物の命を、殺処分することなく、素敵な飼い主さんに繋いでいくための「命のバトン活動」にどうかご支援のほど、よろしくお願いします。
飼い主を探す会
センターに収容される犬や猫たちの命を一匹でも多く救うとともに、動物のことを正しく理解し、飼い主としての自覚と責任を持ち、地域の模範となっていくような飼い主を育成することを目的として講習会を実施しています。飼い主を探す会の流れについては、まず当センターからの譲渡条件を満たす譲渡希望者全員に約1時間程度の講習会を受講していただきます。
センターでは、犬・猫の講習会を月に4回、日曜日に開催しています。この講習会は令和6年4月より、WEB動画視聴で受講できるようになりました(65歳以上の方や継続的な飼育が困難と認められる方は、日曜日に開催される当センターでの講習会を、続いて飼っていただく方と一緒に受講していただく必要があります)。この講習会受講は、当センターからの譲渡資格を得るにあたっての最低条件となり、動物の適正飼養、動物の愛護および管理に関する法律等および徳島県の現状について学んでいただきます。
また、譲渡対象動物とのマッチングについては、「飼い主を探す会・講習会」開催日に、ふれあいドーム(または愛護管理棟内1階エントランスホール)にて当日譲渡可能な動物とのマッチングをしていただきます。他の日においても、講習会受講済の方に限り、事前予約の上、「きずなの里」でマッチングすることができます。マッチングが叶えば、譲渡に必要な手続きを行っていただき、新しい飼い主さんに動物を譲渡することになります。
なお、譲渡予定動物については、当センターホームページ、またはきずなの里アベニュー展示コーナーに写真、年齢、性別などを掲載(展示)しております。そして、さらに毎月第2・4土曜日のふれあい教室でも譲渡予定動物とふれあうこともできますので、ご興味のある方は、ぜひお越しください。
※「飼い主を探す会・講習会」当日(毎月第1・2・3・4日曜日 13時受付開始、要事前申し込み)
新しい飼い主様からのお便り
新しい飼い主様からのお便りを抜粋しております。
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動物大好きな息子さんに可愛い妹ができました。
パパさんは散歩ができるようになったら、1時間早く起きて散歩に行くそうです。
ママさんは「これから忙しくなるなぁ~」と言いながらニコニコしていました。
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にこちゃんはご飯をしっかり食べて、寝て、遊んでおります。
ちょっと遊んだらすぐにサークルの中に入ったりと、自分の居場所をしっかりと認識してくれています。とてもお利口さんです。
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先代犬とそっくりな子犬。先代犬と同じように、あちこちお出かけするのを楽しみにしています。
今後の取り組みについて
センターに収容される助けられる犬・猫の殺処分ゼロを継続するための取り組みとして、犬・猫の命を素敵な飼い主さんに繋いでいくための「命のバトン活動」をさらに推進することを考えています。また、本県では、人に適切に管理されない不幸な犬・猫の命を減らすことを目的として、次世代を担う学生および児童を対象に、動物たちとの適切な関わり方について学ぶ、訪問形式の情操教育の推進を行っております。さらに子供たちに学びを通して、道徳心を育み、生命尊重の精神の醸成を図ることも目的としています。
税金の控除について
本プロジェクトに対する寄付金は、個人によるご寄付の場合、自治体への寄付として個人住民税などの控除の対象となります。寄付金のうち2000円を超える部分について翌年度の住民税等の控除が行われます。※寄付する人の自治体への寄付の総額や収入、家族構成に応じて控除額は変わります。※控除額の計算方式はふるさと納税と同じです。
また、法人によるご寄付の場合、自治体への寄付として全額を損金算入することができます。いずれの場合も控除の手続きには徳島県が発行する領収証が必要となります。本プロジェクトに寄付をしていただいた方には、徳島県から寄付の受領書をお送りいたします。
挑戦者の自己紹介
須見 康代
所属:徳島県動物愛護管理センター
役職:主任主事
徳島県動物愛護管理センターの須見と申します。
私は小学生の頃、ハムスターを飼っていました。とても小さかったですが、さわると温かく、かわいかったのを覚えています。
動物を飼うということは、日々のお世話をし、最期を看取るということです。それは楽しいことばかりではないかもしれませんが、私たちにかけがえのない思い出を与えてくれる存在だと思っています。
この活動を通して、動物たちも新しい飼い主さんも共に幸せになることを願っております。
「飼い主をさがす会・講習会」は月4回、日曜日に実施しておりますので、当センターからの譲渡にご興味のある方は是非、一度ご連絡頂ければと思います。
第1・2・3・4日曜日 13:30~
※講習会は対面またはWeb動画視聴(どちらも要事前申し込み)にて受講いただけます。
Demiさん
少しでも殺処分される犬や猫が減ることを願っています。