徳島大学病院「口腔顔面痛・顎関節症外来」で歯科医師をしております、安陪 晋(あべ すすむ)と申します。
私は長年、顎関節症という疾患と向き合い、痛みに苦しむ患者さんの治療にあたってきました。

本プロジェクトは、重症化すると食事や会話すら困難になる「顎関節症」に対する挑戦です。 痛みを和らげ、組織の修復を促す体に優しい「超音波治療」の実証に挑みます。
現在、歯科領域ではこの治療は十分に認知されていません。 実際の臨床で有効性を検証し、科学的な根拠を証明することで、将来的な「健康保険収載」を目指しています。
しかし、研究には専用の「治療用超音波機器」と「有限要素解析ソフト」が不可欠です。 そのための総額500万円の資金が不足しています。
全国の患者さんが、身近な歯科医院で手軽に新しい治療を受けられる未来を実現したい。 そのために、クラウドファンディングを通じて皆さまのお力をお借りできないかと考えています。

顎関節症治療への原点と、根拠を追求する探求心
私が顎関節症の治療に情熱を注ぐ原点は、学生時代の見学実習に遡ります。 当時、徳島大学の助教授であった恩師・中野雅徳先生(現・徳島大学名誉教授)が顎関節症の患者さんを治療される姿を拝見し、その奥深さに強く惹きつけられました。 顎関節治療のスペシャリストである先生の背中を追いかけ、迷わず第2補綴科に入局したあの日が、今の私の出発点です。

私は、一度興味を持つと徹底的にのめり込む性格です。 留学中に出会った統計学の先生に感銘を受け、帰国後に独学で猛勉強しました。 その結果、「統計検定2級」と「統計調査士」の資格を取得するに至りました。
この「とことん追求し、客観的な根拠(データ)を重んじるひたむきな姿勢」は、 複雑な要因が絡み合う顎関節症治療へ向き合い、 新たな治療の確かなエビデンスを確立しようとする現在の強い思いの根底にあります。

奪われる「食べる楽しみ」と、歯科医師としての「もどかしさ」
顎関節症は「歯科の三大疾患」の一つです。 重症化すると、口が指一本分ほどしか開かなくなり、激しい痛みを伴います。 硬いものや大きなものが食べられず、食事に時間がかかるようになります。
食事は日々の大きな楽しみですが、それが苦痛な時間に変わってしまうのです。 また、「元の状態に戻れないのではないか」という不安から、患者さんの生活の質は著しく低下します。
現在、マウスピースや薬を用いた治療が行われていますが、重症例では十分な効果が得られないこともあります。 以前、強い痛みを持つ患者さんに鎮痛薬を処方しようとしたところ、 「整形外科の薬も飲んでいますが、顎には効きません」と言われました。
痛みに苦しむ患者さんを前に、別の治療法を提示できない。 その時、歯科医師として強い無力感ともどかしさを覚えました。
「薬を処方するだけでなく、診療室で直接介入し、早く痛みを和らげる治療はないだろうか」。 そう強く考えるようになりました。

新たな光となった「超音波治療」という選択肢
新しい治療法を模索していたある日、学会の展示で「超音波治療器」に出会いました。 整形外科の分野では、骨折や変形性膝関節症に対して超音波治療が導入され、健康保険も適用されています。 顎関節も、膝関節と同じ「滑膜関節」です。
「整形外科で効果が出ているなら、顎関節の痛みにも応用できるのではないか」と閃きました。
実際に、同意を得た患者さんに超音波治療を行ってみたところ、 施術直後に「なんだか楽になってきました」と言われました。その後、その方の症状は次第に改善し、痛みをほとんど感じない状態にまで回復しました。
この驚きと喜びが、「超音波治療の有効性を科学的に検証し、世の中に広めたい」という強い確信に変わりました。

皆さまの支援で実現したい「2つの不可欠な鍵」
本プロジェクトでは、550万円の研究資金を募ります。 この資金は、超音波治療の有効性と安全性を明確に裏付けるための「2つの不可欠な鍵」を手に入れるために使用します。
一つ目は、「治療用超音波機器」です。 身体を傷つけることなく、関節の深い組織へダイレクトに超音波を照射します。 1回約3分という短時間で、患者さんが不快感を感じない安全な出力で行われます。 実際に治療を行い、痛みの軽減や開口量の改善を評価することで、「本当に有効なのか」を明らかにします。

二つ目は、「有限要素解析ソフト」です。 超音波治療が、すべての患者さんに同じように効くとは限りません。 このソフトを使うと、CTやMRIの画像から顎関節をコンピューター上で3次元的に構築できます。 顎の骨や関節に、どの程度の負荷が集中しているかを詳細にシミュレーションします。 これにより、「どのような状態の患者さんに超音波治療が適しているのか」を科学的に見極めることができます。
「治療効果を確かめる機器」と「適切な患者さんを見極めるソフト」。 この2つが揃って初めて、単なる思いつきではない、科学的な根拠に基づく確実な治療法を確立できるのです。
私は「臨床試験登録医」の資格を有しています。 倫理委員会の承認のもと、患者さんの安全を第一に、誠実かつ厳格に研究を進めることをお約束します。

全国の歯科医院で、誰もがこの治療を受けられる未来へ
私が最終的に目指しているゴールは、健康保険収載を実現させることです。 超音波治療が保険適応になれば、全国どこでも、身近な歯科医院で治療を受けられるようになります。 既存の治療で治らなかった方々が、より早く痛みから解放され、「食べる楽しみ」を取り戻すことができます。

今回、あえてクラウドファンディングに挑戦するのには理由があります。 それは、資金を集めること以上に、顎関節症のつらさや新しい治療の可能性を社会に広く知っていただきたいからです。
この研究を研究者だけのものにするのではなく、一般の皆様と一緒に育て、共に医療の発展を応援する取り組みにしたいと強く願っています。

どうか、この挑戦にお力をお貸しください
皆さまからのご支援は、機器やソフトの購入費としてだけでなく、 顎関節症に苦しむ患者さんに「新たな治療の可能性」を届けるための大切な第一歩になります。
私の座右の銘は「昨日の自分より、1mmでも前に進む」です。 痛みに苦しむ患者さんの生活の質を向上させ、誰もが笑顔で食事ができる社会を実現したい。 そのために、この信念と持ち前の探求心で、ひたむきに研究と診療に取り組んでまいります。
現在顎関節症で悩んでいる方、そのご家族、そして新しい医療の発展を応援してくださる皆さまに、 この研究の意義を知っていただき、お力を貸していただければ大変心強く思います。 温かいご支援を、心よりお願い申し上げます。

国立大学法人徳島大学への寄付と税制について
本プロジェクトへのご寄付は、徳島大学基金「教育・研究・社会貢献事業」への寄付として受入れ、支援に役立てます。徳島大学基金からの謝意としては、広報誌、教育・研究・社会貢献事業報告書をお送りさせていただいております。
国立大学法人徳島大学へのご寄付につきましては、個人からの寄付では所得税の所得控除、住民税(徳島県と県内市町村が条例で指定する寄付金として)の所得控除、法人からの寄付では法人税の損金算入が認められます。
寄付金領収書は本プロジェクト終了日である、2026年12月4日の日付けで発行いたします。税制上の優遇措置をお考えの方は対象となる年にご注意ください。
個人からのご寄付
国立大学法人徳島大学に寄付金を支出した場合は、所得控除制度が適用され、(総所得金額の40%を上限とした寄付金額)から2,000円を差し引いた額が課税所得から控除されます。
実際の税控除額は前記の控除額に各人の税率を乗じたものになります。
個人住民税については、(寄付金(総所得額の30%が限度)-2,000円)×10%が寄付控除額となります。
10%の内訳は、都道府県が指定した寄付金が4%、市町村が指定した寄付金が6%となっています。
確定申告期間に所轄税務署で確定申告手続きを行う必要があります。その際に、国立大学法人徳島大学が発行する『寄付金領収書』が必要になります。
住民税の控除適用のみを受けようとする方は、『寄附金領収書』を添えてお住まいの市町村へ「都道府県民税・市町村民税控除申告」を行ってください。
法人からのご寄付
法人からのご寄付につきましては、寄付金額全額が当該事業年度の損金に算入されます。
この寄付金による損金算入は、国立大学法人徳島大学が発行する『寄附金領収書』で手続きができます。
振込によるご寄附について
このプロジェクトはクレジットカード決済以外に銀行、郵便振込によるご寄附も受け付けています。
入金確認のための支援者様の振込名義などをお知らせいただく必要があります。銀行、郵便振込によるご寄付の場合は必ずご記入をお願いいたします。
≪手順≫
①リターンのコースを選択し、「寄附するボタン」を押してください。
金額を確認し、配送先住所の入力を終えると、振込で支援するかカードで決済するかを選択できます。
表示される画面に従い、次の事項を入力してください。
振込先、口座番号等は申し込みをいただいたのち、支援者様に自動返信メールにて連絡します。
・振込名義人のお名前
・金額
・寄附コースの名称
・領収書などの送付先住所、電話番号、メールアドレス
・お名前公表について(はい・いいえ)
②ご注意事項
・振込に際しては振込手数料のご負担をお願いいたします。
・カード決済でご利用できるのは、Visa、Mastercard、JCB、American Express
となっております。
挑戦者の自己紹介
安陪 晋
所属:徳島大学大学院医歯薬学研究部(総合診療歯科学分野)
役職:講師
所属・役職:徳島大学大学院医歯薬学研究部(総合診療歯科学分野)
/ 徳島大学病院 総合歯科診療部 外来長
資格: 日本補綴歯科学会 専門医・指導医 日本顎関節学会 認定医 ほか
専門:歯科補綴学 博士(歯学)の学位を取得
1996年に徳島大学歯学部を卒業後、顎関節症の臨床と研究に従事し、現在は徳島大学病院の専門外来で、日々多様な顎関節症患者さんの治療に向き合っています。
私の性格は「一つのことに興味を持つと、とことん追求してのめり込む」タイプです。 例えば、学生時代は一人暮らしで自炊をしていましたが、パラパラのチャーハンをうまく作りたくて、中華料理屋のカウンター越しにプロの技を見て学びました。 今では、家庭のコンロでもおいしいパラパラチャーハンを作れるまでになっています。
プライベートでの趣味は、料理や映画鑑賞、スポーツ観戦です。 また、角松敏生氏のファンクラブに入るほど音楽鑑賞も大好きで、休日の良いリフレッシュになっています。
患者さんの体への負担が少ない「体に優しい治療」を確立し、痛みや不自由さから少しでも早く解放してさしあげたい。
その一心で、日々の診療と研究にひたむきに取り組んでまいります。 皆さまの温かい応援をよろしくお願いいたします。
くわはらさん
頑張ってください